アラブニュース
ロンドン: ヒューマン・ライツ・ウォッチは水曜日、イランの治安部隊がクルディスタン地方の主要都市サナンダジュで抗議者に対し殺傷能力を不法に行使したと発表した。
14人の被害者と目撃者の証言、およびソーシャルメディアのビデオクリップの調査を含む報告書の中で、ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)はイランにおける抗議活動に関して新たに発足した国連の事実調査団に向け、当局側による過度の武力行使を調査するよう勧告した。
9月、10月、11月を通してサナンダジュの治安部隊はショットガンやアサルトライフルなどの武器を使い、銃弾、ペレット弾、催涙ガスをデモ隊に発砲した。
HRWによると概ね平和的だったデモ隊が過度の武力で抑えつけられ、6人が殺害される結果となった。
その一つに、24歳のペイマン・メンバリさんがイスラム革命防衛隊と私服捜査官に向かって石を投げ、射殺された事案もある。
50人のデモ参加者グループにいた目撃者いわく、「私はメンバリさんが石を投げたのを見ました。すると、彼がため息をついて私の目の前で倒れました」
後に他の目撃証言で犯人は地元のバスィージ準軍事組織の一員だと判明した。
別の事案ではクラクションを鳴らして近くのデモ隊に支持を表明した男性が車の中で射殺された。ソーシャルメディアに投稿された動画にはライフルで武装した男たちが車に近づいていく様子が映っており、その後の映像ではドライバーがハンドルにつっぷして死んでいる様子が映っていた。
発砲現場に駆けつけた目撃者いわく、「近くに行ってみたらドライバーが殺されていました。フロントガラスは割れていました」
もう一つ大きな事案が11月17日にも起きている。この事案では、40日前に殺害された4人のデモ参加者を追悼するため市内の墓地に大勢の人が集合していた。
追悼デモに参加した人たちによると、イラン警察とIRGCがやってきて弔問客に向けて発砲し、2人が死亡したという。
HRWは法執行機関による武器の使用に関する国連のガイダンスを引用した。
国連のガイダンスでは「同時に複数弾を撃つことは不適切であり、一般にそうした使用法は必要十分と見なすことはできない。散弾銃から発射されるような金属製のペレット弾は決して使用してはならない」と勧告している。
また、報告書の中でHRWはイランにおける被拘束者に対する深刻な虐待を記録している。そうした事例には医療支援の拒否、拷問、殴打、性的暴行などがある。
9月に抗議デモが国中に広がる中で逮捕された2人の女性は警察署に拘留中に殴られ、性的暴行を受けたとHRWに語った。
別の女性は警官が彼女の首を殴り、地面に投げつけ、他の警官の集団に向かって引きずられ、そして殴打されたと話す。
HRWのイラン上級研究員テラ・セペリ・ファーさん曰く、「イラン当局は拘束したデモ参加者たちに対する虐待を劇的にエスカレートさせています」
「各国政府はイランの人権侵害の責任を追及するにあたって被拘束者に対する深刻な虐待に特に注意を払うべきです」
「イラン当局は9月以降、サナンダジュのデモ参加者たちに対して憂慮すべき暴力を振るっています」
「この抗議運動とそれに対する政府の残忍な対応はどちらも、クルド人の文化的・政治的自由に対するイラン政府の長年の抑圧を示すものです」と続けた。