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新しいEUのリーダー、変わらぬ古い問題

2019年11月27日、フランス東部のストラスブールで行われた欧州議会委員選挙後の記者会見で話す、欧州委員会委員長に選出されたウルズラ・フォン・デア・ライエン。(AFP)
2019年11月27日、フランス東部のストラスブールで行われた欧州議会委員選挙後の記者会見で話す、欧州委員会委員長に選出されたウルズラ・フォン・デア・ライエン。(AFP)

日曜、ウルズラ・フォン・デア・ライエンが一ヶ月遅れで欧州委員会委員長に正式に就任した。ここに至るまでの道のりは決して平坦なものではなかった。彼女は先週、英語・ドイツ語・フランス語で熱のこもった演説を行い、新たな「グリーンディール政策」によって、欧州が2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを達成する最初の大陸となるビジョンを語った。

彼女の前任者ジャン=クロード・ユンケルも気候問題に関して同じビジョンを共有していたが、石炭の利用をあきらめることに消極的なポーランドやハンガリー、チェコ共和国など東ヨーロッパ諸国の反対に直面し、実行することができなかった。フォン・デア・ライエンの気候計画には公平なエネルギー移行のための基金が含まれており、EU予算に対するいくつかの純支出国の反対に遭っている。

しかし彼女は、左翼党と緑の党の支援を得られるだろう。両党は議会を説得して気候緊急事態を宣言させ、今週マドリードで開かれる第25回国連気候変動会議になんとか間に合わせた。また彼女には、気候変動を最優先事項の1つとして宣言した新しい欧州中央銀行(ECB)総裁クリスティーヌ・ラガルドからの支援もある。

その他の課題として論点になっているのが移民問題であり、こちらについても加盟国政府が反対意見を持っている。移民政策の緩和に対して共感を示す加盟国でさえも、ドイツのAfDやフランスの国民戦線などの極右野党を絶えず気にする必要がある。

貿易戦争によって身動きがとれず鈍化している世界経済も悩みの種だ。ドイツは第3四半期に自律的景気後退をやっと回避したばかりで、イタリアとフランスはECBガイドラインに抵触している債務負担がいつか必ず問題となる。

日曜、ウルズラ・フォン・デア・ライエンが一ヶ月遅れで欧州委員会委員長に正式に就任した。ここに至るまでの道のりは決して平坦なものではなかった。

コーネリア・マイヤー

フォン・デア・ライエンの2番目の優先事項はデジタル化と、5Gコネクティビティの本格展開に対する資金拠出方法だ。これは特にドイツにとってジレンマとなっている。ドイツは成功している先進工業経済国の代表だが、デジタル・コネクティビティについては世界38位でしかない。

別の疑問は、EUはもっと拡大すべきかどうか、もし拡大するならどれくらいのスピードが適切かということだ。マクロンは最近、北マケドニアおよびアルバニアの早期加盟に水を差している。

ユンケルはかつて、自分の仕事は世界で最も難しいと述べた。彼はその時すでにEU部内者であり(彼の後任はまだそうではない)、フォン・デア・ライエンが対峙している亀裂の入った議会と戦う必要はなかった。彼を中傷する者もいたが、ユンケルは欧州および国際的な舞台において並外れた腕を持つやり手だった。

欧州理事会議長を退くドナルド・トゥスクは金曜に行った退任のスピーチで、自分が在職した5年間は危機管理に終始したと述べた。最初はギリシャ、次にウクライナ、そして移民問題、最後はブレグジットの悪夢が起こった。未来は彼の後継者であるシャルル・ミシェル元ベルギー首相にとってもそれほど変わらないかもしれない。ユンケルとトゥスクのコンビは極めて効果的だったため、フォン・デア・ライエンとミシェルは後継者として重責を担うことになる。

EUの問題は数が少なくなったわけでも、本質的に緊急性が薄れたわけでもない。議会における深い亀裂は、リーダーシップによる機略を働かせる余地を制限する。世界で最も困難な仕事は、さらにいっそう難しくなったのかもしれない。

  • コーネリア・マイヤーはビジネス・コンサルタント、マクロ経済学者、およびエネルギー専門家である。Twitter: @MeyerResources
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