ソウル:北朝鮮国営メディアは多くの人々がマスクを着用していない様子を伝えており、当局は新型コロナウイルス感染症の厳格なマスク着用義務を緩和したようだと、メディアが今週に入って報じた。
孤立している北朝鮮は、他のほとんどの国が国境封鎖やその他の新型コロナウイルス対策制限を解除した後もずっと国境封鎖やその他の新型コロナ対策を維持してきた。
北朝鮮の国営テレビや新聞は公式発表をしなかったが、劇場やその他の場所でマスクを着けずに大勢の人が集まる様子を伝えた。ソウルを拠点として北朝鮮を監視するNK Newsのアナリストによると、これは昨年9月に遡った新聞報道と比較して「明白な変化」だった。
米国を拠点とするラジオ・フリー・アジアは3日、匿名の情報筋の話として、住民、工場、社会団体に対し7月1日付でマスク着用義務が解除されたと伝えた。
報告書によると、当局が義務を緩和したのは、使用済みマスクの着用と厳格なマスク管理が皮膚病や目の感染症拡大につながったためだという。昨年8月、国営の朝鮮中央通信社(KCNA)が報じたところによると、金正恩首相は新型コロナウイルス感染症に対する勝利を宣言し、マスク着用義務とその他のソーシャル・ディスタンス確保のルールを廃止した。
しかし、その発表から1か月後、秋冬に発生するインフルエンザなどの感染症予防を理由に、新型コロナを特定せず、当局は再び市民に公共の場でのマスク着用を命じた。
韓国の諜報機関によると、5月に北朝鮮から逃亡した脱北者は、同国の厳格な新型コロナウイルス感染症対策を理由に脱北を決めたという。
北朝鮮の厳格な新型コロナウイルス関連規制は、昨年の国連の報告書で人権侵害悪化につながっていると批判されている。
ロイター