
岸田文雄首相は21日、ニュージーランドのアーダーン首相と首相官邸で会談した。両首脳はウクライナ侵略を続けるロシアを強く非難するとともに、中国を念頭に東・南シナ海でも力による現状変更を認めないとの考えで一致した。
ニュージーランドが位置する南太平洋では、中国がソロモン諸島と安全保障協定を締結したことで安保環境の変化への懸念が強まっている。岸田首相は会談後の共同記者発表で「日本とニュージーランドは東シナ海、南シナ海を含め、いかなる地域でもこうした(現状変更の)試みに強く反対する」と強調した。
両首脳は「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力も確認。経済的威圧や不公正な貿易慣行を許容しないことや、両国が太平洋島しょ国との協力を強化することでも一致した。情報保護協定の締結交渉を開始することでも合意した。
今年は両国の外交関係樹立70周年に当たる。アーダーン首相は、同国の厳しい新型コロナウイルス水際対策を緩和後、初の外遊先の一つに日本を選んだことについて「日本を重視する証しだ」と強調。「日本からぜひ学生、旅行者、ビジネス関係者をお迎えしたい」と人的交流の活性化に期待を示した。
時事通信