
水産庁は23日未明、日本が200カイリ水域内で行うサケ・マス漁に関するロシアとの漁業交渉が実質的に妥結したと発表した。2022年の漁獲枠は2050トンで、21年と同水準。25日に署名などの手続きを行う。5月初旬に出漁できる見通しで、例年に比べて出漁時期は遅れたものの、盛漁期には間に合う。
ロシアによるウクライナ侵攻で日本が米欧と歩調を合わせて経済制裁を実施する中、11日からオンラインで協議する異例の交渉となったが、前年並みの漁獲枠で合意した。日本がロシアに支払う漁業協力費は2億~3億13万円の範囲で漁獲実績に応じて決める。下限額は前年の2億6000万円から引き下げた。前年の支払額は2億6000万円。
サケなど産卵のために海から川へ帰る魚の場合、国連海洋法条約で川のある国が漁獲権を持つと定められており、ロシアの川で生まれた魚を日本の水域で捕るにはロシアの許可が必要となる。ロシアの200カイリ水域で日本の漁船が行うサケ・マス漁の交渉については、日程を調整している。
時事通信