
ドイツのショルツ首相は28日、東京都内で講演し、経済安全保障で日本と連携し「ともに指導力を発揮していく」と表明した。両国はウクライナに軍事侵攻したロシアからのエネルギー供給に依存しており、脱却に向けた対応で協調したい考えだ。
ショルツ氏は「経済連携では同じ価値観を共有していなければならない」と述べるとともに、エネルギー調達やサプライチェーン(供給網)の多様化に際し「強固なルールと透明性のある新たなグローバリゼーションが必要だ」と訴えた。
またインド太平洋地域の安定化に向けて関与を強める方針を改めて示し、オーストラリアや韓国、インドなど周辺諸国をパートナーとして列挙。「価値と利害を共有する国との連携を強化する」と語り、覇権主義的な行動を強める中国をけん制した。
6月下旬にドイツで開催される先進7カ国首脳会議(G7サミット)では、自らが提唱する炭素税など気候変動対策で共同歩調を取るための新たな枠組み「気候クラブ」について議論する見通し。ショルツ氏は「日本にも参加してほしい」と呼び掛けた。
JIJI Press