
ロンドン時事: 岸田文雄首相は5日、東南アジア・欧州歴訪の一連の日程を終えた後、ロンドン市内で記者会見し、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアへの追加制裁を発表した。資産凍結の対象に約140人の個人、輸出禁止の対象に約70の軍事団体を追加するのが柱。量子コンピューターなど先端的な物品の輸出禁止や一部銀行の資産凍結も実施する。
首相は「世界の平和秩序を守り抜くため、今こそ一層G7(先進7カ国)の結束を強固にしなければならない。G7と連携し、ロシアへの圧力をさらに強化する」と表明。覇権主義的な動きを強める中国を念頭に「危機に直面している今こそ、『自由で開かれたインド太平洋』の旗印を高く掲げなければならない」とも語った。
首相は帰国後、11日にフィンランドのマリン首相、12日に欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長らと会談。23日の日米首脳会談、24日の日米豪印4カ国首脳会合に加え、東南アジア諸国首脳の来日も月内に予定されている。
首相は会見でこれらの外交日程を説明した上で、「国際社会の中で『日本ならでは』の最大限の貢献をしていく。『新時代リアリズム外交』を本格的に動かしていく」と強調した。
時事通信