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北朝鮮 新型コロナウイルス感染者発生を認め、6名の死亡を発表

4月25日に平壌で行われた大規模な軍事パレードがウイルスの拡散を加速させた可能性がある。式典では、金正恩国務委員長が中心となって、同国の軍事核プログラムにおける最強ミサイルを披露した。
4月25日に平壌で行われた大規模な軍事パレードがウイルスの拡散を加速させた可能性がある。式典では、金正恩国務委員長が中心となって、同国の軍事核プログラムにおける最強ミサイルを披露した。
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13 May 2022 08:05:35 GMT9
13 May 2022 08:05:35 GMT9
  • 専門家の中には、北の最初の発表は外部からの援助を受ける意志が存在することを示している、と言う人も
  • 北朝鮮が2年半にわたってウイルスを完全に排除してきたという主張は広く疑われていた

ソウル:北朝鮮全土に新型コロナウイルスの感染が「爆発的に」拡大し6人が死亡、35万人が治療を受けたと国営メディアが金曜日に発表した。同国が新型コロナウイルス感染者発生を初めて認めた翌日である。

北朝鮮は新型コロナウイルスの検査、その他医療機器を十分に保有していない可能性が高く、集団発熱の原因も分からないという。感染が拡大すれば、医療制度が崩壊し、ワクチン接種を受けていない栄養失調の国民がいる同国にとって、壊滅的な打撃となる可能性がある。

国営朝鮮中央通信(KCNA)は、4月下旬から発熱した35万人のうち、16万2200人が回復したと発表した。また、木曜日だけで1万8000人が新たに発熱し、18万7800人が治療のために隔離されているという。

KCNAによると、死亡した6人のうち1人はオミクロン変異株に感染していることが確認されたが、全発病者のうち何人が新型コロナウイルス感染者であるかはすぐには明らかにされなかった。

北朝鮮は初のコロナウイルス感染者を認めた後の木曜日、全国的なロックダウンを実施した。これらの報道では、不特定多数の人々の検査でオミクロン変異株の感染について陽性であったと述べている。

孤立した北朝鮮が、いかなる感染症、ましてや新型コロナウイルスのような脅威的な感染症の発生を認めることは異例である。同国は自称「社会主義の理想郷」としての強いプライドと外部の認識に対して敏感であるからだ。

金正恩氏は近年、悪化する経済やその他の問題について時々率直に述べていたが、北朝鮮のパンデミック対応については繰り返し自信を示していた。木曜日の与党会議で北が新型コロナウイルス感染の確認を発表するまで、公の場でマスクを着用する姿は見られていなかった。

4月25日に平壌で行われた大規模な軍事パレードがウイルスの拡散を加速させた可能性がある。式典では、金正恩国務委員長が中心となって、数万人の前で同国の軍事核プログラムにおける最強ミサイルを披露した。

韓国の世宗研究所の上級研究員、張成昌(Cheong Seong-Chang)氏は、感染拡大のペースから、危機は数カ月、場合によっては2023年まで続き、医療機器の不十分な同国に大きな混乱をもたらす可能性があると指摘する。

専門家の中には、北の最初の発表は外部からの援助を受ける意志が存在することを示している、と言う人もいる。

北朝鮮は昨年、国連が支援するCOVAX――ワクチン配布プログラムによって提供された、アストラゼネカと中国のシノバックのワクチンを含む数百万本の予防接種を敬遠した。おそらく、その効果についての疑問と、監視要件を受け入れたくないという理由からであろう。同国には、ファイザーやモデルナのようなmRNAワクチンに必要な極低温保存システムを保有していない。

火曜日に1期5年の任期を開始した韓国の保守系新大統領、尹錫悦(ユンソンニョル)氏の事務所では、政府は北朝鮮にワクチンやその他の医薬品を提供する意思があり、具体的な計画について同国と話し合いを持ちたいとしている。

南北問題を扱う韓国統一省のブ・スンチャン報道官は、北朝鮮が支援を要請した場合に提供できるワクチンの量について、韓国は現時点で見積もりを出していないと述べた。

南北関係は過去3年間、米国と北朝鮮との間の大規模な核交渉が行き詰まる中で悪化した。この交渉は、米国主導の厳しい対北制裁の解除と北の軍縮措置の交換に関する意見の相違で停滞している。

中国外務省の趙立堅(ちょう りつけん)報道官は木曜日、中国は北朝鮮に、この感染症に対処するための支援を提供すると述べた。

「同志、隣人、友人として、中国は北朝鮮――DPRKが疫病と戦うための、完全な支援と援助を提供する準備ができている」と、北朝鮮の正式名称である朝鮮民主主義人民共和国のイニシャルを用いて、同報道官は定例会見で記者団に述べた。

KCNAによると、金正恩氏は木曜日に緊急防疫本部を訪れ、発熱の発生について説明を受けた際、当局者が「防疫体制における脆弱な点」を防げなかったと批判した。

同氏は、感染症の蔓延が首都平壌を中心に起こっているとし、ロックダウン中の住民にあらゆる便宜を図りながら、すべての職場と住居を互いに隔離することの重要性を強調した。

KCNAは金正恩の発言を引用し、「当面の公衆衛生危機状況を早期に反転させ、防疫の安定を回復し、国民の健康と福祉を守ることは、わが党が直面する最も重要な課題であり、崇高な任務である」と述べた。

北朝鮮が2年半にわたってウイルスを完全に排除してきたという主張は広く疑われていた。とはいえ、パンデミックのほぼ初期から厳格なウイルス管理を行ったこともあり、今までは感染爆発は避けられたと考えられてきた。

厳しい国境閉鎖やその他の措置は、数十年にわたる不始末と北朝鮮の核・ミサイル計画に対する米国主導の厳しい制裁によってすでにダメージを受けていた経済にさらに打撃を与えた。現在、金正恩氏は、おそらく彼の統治下で最も厳しい状況に追いやられている。

木曜日に新型コロナウイルスの感染拡大を確認した数時間後、北朝鮮は3発の短距離弾道ミサイルを海に向けて発射した。おそらくその盤石な体制をアピールする狙いがあったと考えられる。これは、今年に入ってからの16回目のミサイル発射である。

ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は、米国は国際的な援助活動を支援しているが、ワクチンの供給を北と共有する計画はないと述べた。北朝鮮がCOVAXワクチンを敬遠していることが理由である。

「我々は最も脆弱な北朝鮮の人々に対し、重要な人道的援助を提供することを目的とした国際的な努力を支援し続ける。しかし、これにはもちろん、北朝鮮がこの種の援助を受け入れないことによって自国民から搾取し続けるという、より大きな障害がある」と、サキ氏は木曜日にワシントンで語った。

「ワクチンだけではない。国民と国家を大いに助けることができる人道的支援が提示されているのにも関わらず、彼らは無法な核と弾道ミサイルのプログラムを構築するために資源を流用しているのだ」

AP

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