
バイセンハウス(ドイツ北部): ドイツ北部バイセンハウスで開催中の先進7カ国(G7)外相会議は14日、3日間の日程を終え閉幕した。ロシアの侵攻を受けるウクライナ支援や、制裁による対ロ圧力継続で一致。閉幕後、議長国ドイツのベーアボック外相は、ロシアが意図的にウクライナの穀物輸出を妨害していると指摘し、海路での穀物輸出の代替ルートとして、鉄道での輸送を検討していると表明した。
ルドリアン仏外相は13日、G7は「ウクライナの勝利まで」支援を続けることで強固に一致していると表明。トラス英外相もウクライナへの兵器供与と対ロ制裁で「プーチン大統領への圧力を強めることが重要だ」と強調した。
会議にはウクライナのクレバ外相も参加。クレバ氏は一段の軍事支援を求めたほか、ロシアの侵攻が「世界の食料危機の唯一の原因だ」と非難。ロシア軍がウクライナの港湾からの穀物輸出を妨害していると訴え、G7と妨害の解消に向けた協議を行っていると説明した。
日本の林芳正外相はアジア唯一のG7メンバーとして、インド太平洋地域での各国の連携に向けた議論を提起。同地域などを対象とした最大1億ドル(約130億円)の支援も表明した。ウクライナ情勢に絡む中国の動向、弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮をめぐる懸念についても言及した。
G7はこのほか、気候変動対策の加速に向けた有志国のグループ設立や、新型コロナウイルスワクチンの公平な分配、人道支援の拡大などで一致した。
時事通信