
北海道・知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故で、水深約120メートルの海底にある船体について、第1管区海上保安本部などが月内にも引き揚げの可否を判断することが16日、関係者の話で分かった。事故原因の究明には船体の詳細調査が欠かせず、民間の潜水士による船内捜索と並行して引き揚げに向けた検討を進める。
同本部などによると、深い海に潜水士を送り込む「飽和潜水」の資機材を載せた専門業者「日本サルヴェージ」の作業台船は16日午前、北海道枝幸町沖のオホーツク海を航行。17日に網走港に到着し、週内にも船体調査を始める見込み。
調査を担当する潜水士は4人。行方不明者が船内に取り残されていないか捜索を進めるとともに、引き揚げに向け船体の破損状況なども確認する。
捜索や調査は月内に終わる予定で、引き揚げが可能な場合は間を置かずに着手するという。同本部関係者によると、120メートルの水深に関しては、引き揚げる際の支障にはならないとみられる。
事故は先月23日に発生。これまでに14人の死亡が確認されている。
時事通信