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北朝鮮、バイデン氏のソウル訪問に対し「核実験の準備完了」

北朝鮮は核実験を実施する構えである、と韓国の国会議員が木曜日に発言した。米国はジョー・バイデン大統領が今週ソウルを訪問する際に、核実験が行われる可能性があると警告した。(資料写真/AFP)
北朝鮮は核実験を実施する構えである、と韓国の国会議員が木曜日に発言した。米国はジョー・バイデン大統領が今週ソウルを訪問する際に、核実験が行われる可能性があると警告した。(資料写真/AFP)
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19 May 2022 10:05:16 GMT9
19 May 2022 10:05:16 GMT9

北朝鮮は核実験を実施する構えである、と韓国政府は木曜日に発言した。米国はジョー・バイデン大統領が今週韓国を訪問する際に、核実験が行われる可能性があると警告した。

今回のソウル訪問とその後に続く東京訪問は、米国政府がアジアへの長期的な軸足を固めようとしていることの証拠であると受け止められている。中国の商業と軍事力の台頭により、数十年にわたる米国の支配が弱まっているのだ。

しかし、バイデン氏の大統領としての初のアジア歴訪は、ますます好戦的になる北朝鮮によって影が薄くなりそうである。

平壌は、新型コロナウイルス感染症の集団発生が急増しているにもかかわらず、「核実験の準備は完了しており、タイミングをうかがっているだけなのです」と、韓国の国会議員であるハ・テグン氏は韓国の情報機関から説明を受けた後に語った。

米国政府が語ったところによると、バイデン氏が金曜日遅くにソウルに到着した後に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)氏がこの「挑発」を行う「確実な可能性」があると米国の情報機関は述べている。

これはバイデン氏の訪韓時期に「さらなるミサイル実験、長距離ミサイル実験または核実験、あるいは率直に言ってその両方」を意味する可能性があると、ジェイク・サリバン国家安全保障問題担当大統領補佐官は述べた。

衛星画像は、北朝鮮は7回目の核実験を行う準備をしていることを示している。今年は大陸間弾道ミサイルなど記録を塗り替えるほどのミサイルが電撃的に発射されてきたが、今回の核実験はその集大成となるだろう。

世宗(セジョン)研究所北朝鮮研究センターの鄭成長(チョン・ソンジャン)センター長はAFP通信に対し、「北朝鮮は、バイデン大統領の訪朝期間に核実験を実行して、国際社会の関心を集めたいのだろう」 と語った。

韓国に駐留する約3万人の米軍の一部を訪問する予定のバイデン氏は、この地域における米軍の軍事態勢を「調整」する準備ができており、韓国のタカ派の新大統領である尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏はより強固な結びつきを切望している。

バイデン氏も尹氏も、北朝鮮政府との会談には前向きだとしながらも、非核化に向けた真の進展を期待していると述べている。アナリストによると、非核化は金氏にとって忌まわしいことであり、会談を停滞させることになるという。

「バイデン氏は、トランプ氏のように首脳間の場当たり的な会談で北朝鮮問題を解決することはできないと判断しています」と、世宗研究所の禹政燁(ウ・ジョンヨプ)研究委員は語った。

北朝鮮は土曜日の尹氏とバイデン氏の会談の結果を注視しているだろうと、北朝鮮大学院大学のヤン・ムジン教授は述べた。

「その結果次第で、北朝鮮は大陸間弾道弾ミサイルと核実験を加速させるか減速させるかを決定するでしょう」とヤン氏は語った。

サリバン氏は、北朝鮮に関する安全保障情勢は韓国や日本と「緊密に」調整されており、この問題について中国の国家安全保障問題担当者とも水曜日に協議したと述べた。

世宗研究所のチョン氏は、金氏は何をすべきかまだ議論している可能性が高いと指摘した。特に、北朝鮮の唯一の同盟国である中国に対して、北朝鮮の核兵器と大陸間弾道弾ミサイルの実験を抑制するよう米国が圧力をかけているためだという。

金氏はまた、ロシアのウクライナ侵攻後、国連安保理が行き詰まり状態にあることも承知している。そのため、バイデン副大統領のアジア歴訪中に核兵器あるいは大陸間弾道ミサイルの実験が行われる「可能性が非常に高い」と、チョン氏は付け加えた。
ロシア政府は、兵器実験をめぐって北朝鮮政府にさらなる制裁を科そうとする国連の動きを阻止しようとすると思われる。

バイデン氏はソウル訪問のあと、日曜日に日本を訪れ、日本政府首脳陣と会談した後、オーストラリア・インド・日本・米国の4ヶ国首脳会談に参加する予定である。

サリバン氏は、ウラジーミル・プーチン大統領によるほぼ3ヶ月にわたるウクライナ侵攻に対する、西側諸国の対応において、米国がリーダーシップを発揮したことをうけて、バイデン氏は「追い風を受けて」アジアへ向かうと述べた。
ロシアに課された高い軍事的、外交的、経済的コストは、中国にとって教訓になるとワシントンでは見られている。たとえ戦争をしてでも、民主的に統治された台湾を支配したいという中国の野望が表明されているからだ。

しかし、北朝鮮による核実験の可能性がある中でアジアを訪問したという事実は、就任以来この地域を「戦略的に無視してきた」ことが一因だと、梨花(イファ)大学の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授は指摘する。

米国と北朝鮮の会談は、尹氏の前任者である文在寅(ムン・ジェイン)氏の仲介によるドナルド・トランプ米大統領(当時)と金氏の異例の外交交渉が最終的に失敗に終わった後、何年も中断していた。

トランプ氏は金氏と3回にわたって首脳会談を行い、2人は「愛し合っている」と主張したが、北朝鮮の核開発計画の解体にはほとんど、あるいはまったく進展がなかったと、複数のアナリストが指摘している。
金氏は最近平壌で行われた大規模な軍事パレードで、核兵器の備蓄を「可能な限り最速のスピードで」強化していると述べた。

「非核化と米朝関係に関して、何の進展も見いだせない状況に戻ってしまいました」と朴氏は語った。

「今、北朝鮮を確実に止める方法はありません」

AFP

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