• イランは国が管理する「ニュートラルな（正体を曖昧にした）」企業を設立して、買い手からの本当の購買内容を隠蔽している、と報告
• さらにイランは、最終的な買い手の正体を明かさないようにするため、「いわゆるサードパーティー国を介して密輸を迂回」させている

アラブニュース

ドバイ：5月7日（金）、ドイツの諜報機関による報告から、イランが拡散方式によって強力な兵器に用いるテクノロジーを密輸する実態について、詳細が明らかと　　　なった。

報告書の説明によると、「イラン、北朝鮮、シリアなどの拡散に関与する国、それにパキスタンでは、安全対策や輸出に関する法令を巧みに回避して密輸行動を偽装しようとする。そのために彼らは陰謀に近い手段や方法をとっている」とドイツ最北端のシュレースヴィヒ＝ホルシュタイン州にある諜報機関が報告していると　　いう。

また、「拡散は現在もシュレースヴィヒ＝ホルシュタイン支部の中心的防諜業務対象の一つとなっている」と報告書は言及する。同機関によると、この拡散とは「大量破壊兵器（ABC兵器）およびそれを製造するために使われる製品やそれらの運搬手段用のテクノロジーを広めること」を意味するという。

ABCとは一般に核(Atomic)兵器・生物(Biological)兵器・化学(Chemical)兵器を　表す。

同報告書によると、イランは国が管理する「ニュートラルな（正体を曖昧にした）」企業を設立して、買い手からの本当の購買取引内容を隠蔽し、「表向きの企業と仲介役による不法密輸ネットワーク」を作り上げているという。

さらにイランは、最終的な買い手の正体を明かさないようにするため、「いわゆるサードパーティー国を介して密輸を迂回」させ、「経験の浅い貨物配送業者や輸送業者を不正利用している」ということも報告されている。

イランは不法配送を複数回に小分けし、「不審に思われない個別配送を装って密輸の全貌を明かさない様にしている。」

さらに同報告書は、イランが「エンドユーザー」や「最終的に物品を受け取る個人、企業、機関」についても隠していると述べている。

同報告書には全218ページの中でイランが19回登場し、ドイツの民主主義に対する安全上の脅威について記載されている。

イラン、北朝鮮、パキスタン、シリア、ロシアといった国々は、二重目的の物品、つまり一般市民と軍の両方が使用する品物を入手することに躍起となっていることも報告されている。

「拡散はドイツ連邦共和国およびシュレースヴィヒ＝ホルシュタイン州をはじめ、世界の多くの地域の安全に対する重大な脅威となる。ドイツ連邦共和国は世界で最も重要な輸出国の一つだ。したがって軍事物資並びに民間物資の輸出は特別な管理の下に置かれている」と報告書は述べている。