



インド太平洋地域などで離島防衛を担う各国の部隊指揮官らが集まり、13日から開かれていた「太平洋水陸両用指揮官シンポジウム」は16日、最終日を迎えた。この日は千葉県の陸上自衛隊木更津駐屯地で、陸自と米海兵隊が連携する様子も公開された。共同記者会見に臨んだ吉田圭秀陸上幕僚長は「参加国との連携を深め、地域の平和と安定に大きく寄与できた」と成果を強調した。
シンポは陸自と米海兵隊の共催で、日本開催は初めて。フィリピンやオーストラリアといったインド太平洋地域のほか、フランスや英国など計18カ国が参加した。米側の招待で台湾もオブザーバーとして加わり、中国の海洋進出を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた多国間連携を進める狙いがある。
訓練では離島防衛を想定し、陸自の水陸機動団が確保した拠点に、海兵隊の高機動ロケット砲システムと陸自の地対艦ミサイルが展開する様子を公開。米軍のヘリコプターが陸自の輸送機オスプレイに給油する訓練も行い、日米の相互運用性を示した。
吉田陸幕長は会見で、人道支援や情報共有などの協力を深め、多国間訓練などを進める方針を表明。米太平洋海兵隊のラダー司令官は「深い信頼関係が力になる」と話し、結束を訴えた。
時事通信