
岸田文雄首相は20日、アイルランドのマーティン首相と首相官邸で会談した。ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、対ロ制裁とウクライナ支援で連携を確認。覇権主義的な動きを強める中国を念頭に、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力促進でも一致した。
ウクライナ危機に関し、岸田氏は会談で「欧州のみならずアジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす暴挙だ」と指摘。マーティン氏はこの後の共同記者発表で、首都キーウ(キエフ)を訪問したことに触れ、「ひどい被害を目の当たりにした。許すことはできない」と強調した。
日本とアイルランドの首脳会談は2013年以来9年ぶり。両首脳は経済関係の強化などを盛り込んだ共同声明を採択。アイルランドは国連安全保障理事会の非常任理事国で、国連の機能強化や核軍縮・不拡散などでも意見を交わした。
マーティン氏はまた、安倍晋三元首相の死去に哀悼の意を表明した。
時事通信