
岸田文雄首相は7月31日夜(日本時間8月1日午前)、核拡散防止条約(NPT)再検討会議に出席するため、米ニューヨークに入った。1日午前(日本時間同日深夜)に演説。「核兵器のない世界」の実現に向けたロードマップ(行程表)を示し、核軍縮・不拡散に関する現実的な取り組みを進めるよう各国に求める見通しだ。
NPT再検討会議に日本の首相が出席するのは初めて。会議は国連本部で開かれ、岸田首相は中国が不透明な核の軍拡を続けていることを念頭に、行程表の一環として核兵器保有国に対して核戦力の情報を開示するよう訴えるとみられる。
また、ウクライナに侵攻したロシアの核兵器使用に懸念が強まっていることを踏まえ、被爆地・広島選出の首相として核による威嚇も使用も認められないと主張。北朝鮮の核開発に関しては、完全な非核化に向けた国際社会の連携を呼び掛ける。
会議出席に当たり、首相は「意義ある成果が収められるよう全力で取り組みたい」と意欲を示してきた。保有国と非保有国との分断が深まる中、合意文書の採択につなげるため双方の「橋渡し役」を担いたい考えだ。
首相は演説後、核兵器を持たない12カ国で構成する「軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)」外相会合に出席。国連のグテレス事務総長とも会談する。
時事通信