
ロシア国防省は3日、北方領土の択捉島と国後島で軍事演習を行ったと発表した。1~7日の日程で実施中のロシア軍の大規模軍事演習「ボストーク(東方)2022」の一環。3日はロシアで対日戦勝を祝う「第2次大戦終結の日」に当たる。日本政府は演習が「わが国の立場と相いれず、到底受け入れられない」と抗議していたが、無視された格好だ。
国防省によると、両島では敵の上陸を想定し、無人機も活用しつつ砲兵部隊が撃破する演習に成功したという。
演習開始に先立ち、フォミン国防次官は「特定の国々や軍事同盟に向けたものではない」と説明していた。ただ、プーチン大統領は6日の極東ウラジオストク訪問時に自ら演習を視察する予定で、演習に参加する中国と共闘して日米同盟をけん制する狙いがあるとみられる。
極東のメディアによると、クリール諸島(北方領土と千島列島)では3日、第2次大戦終結の日の行事を開催。プーチン政権は2020年の憲法改正で領土割譲を原則禁止したほか、今年3月には平和条約締結交渉の中断を表明し、対日強硬姿勢を強めている。
時事通信