

アラブニュース、東京
カルドン・アザリ
イランとアメリカの間で緊張が高まっているため、予定されていた安倍晋三首相の中東訪問は中止にするという発表が政府関係者からなされたが、日本の安倍首相は中東訪問を決行し、特に、サウジアラビアで進んでいる変革を自身の目で直接確かめることを決意した。
日本政府がイスラム世界のリーダーと考えているサウジアラビアという国の状況について、安倍首相はどのように見ているのか、安倍内閣の内閣参謀参与の1人である谷口智彦氏は自身の見解を示した。
「国際メディアが言わなければならないことは脇に置いておいて、安倍首相にとっては、サウジアラビアでさらにスピードが増しているその変革を、自分自身の目で確かめることが重要なのである。」と、谷口参与はアラブニュースのインタビューで述べた。
安倍首相の湾岸地域視察には、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、オマーンへの訪問が含まれている。
この視察の予定は少し前に組まれたが、安倍首相が出発する直前に、アメリカとイランの軍事衝突が勃発した。アメリカ軍は、イラン革命防衛隊のガーセム・ソレイマーニー司令官を攻撃し殺害したが、イランはこの報復として、イラクのアメリカ軍基地をミサイルで攻撃した。
日本政府は、この不安定な状況のため安倍首相の中東訪問は中止になる見込みであることを直ちにメディアに知らせた。
日本の外務省は、注意喚起を行い、日本人全員にイラクからすぐに出国するよう求めた。
しかしながら、安倍首相は中東訪問の重要性を認識しており、政府関係者が反対しているにも関わらず、中東訪問は予定通りに行うことを主張した。
今回の中東訪問には、次のような重要な側面があった。すなわち、現地に日本の自衛隊を派遣しその緊張緩和に貢献することを安倍首相が考えており、その意向を首相自身が説明できるようにするというものである。しかし、安倍首相はサウジアラビアを訪問したいという思いも大変強かった。
「安倍晋三首相は、サウジアラビア皇太子のムハンマド・ビン・サルマンがおそらく権力を維持するであろう今後30〜40年間にサウジアラビアが進んでいく方向性に関して、自身の見解を養いたいと思っていたし、サウジアラビアがどのような国になるのかも確かめたいと思っていた。」と、谷口参与は詳述した。
「私たちは、すでに空港で、多くの女性の顔を見た。現在の指導者たちによって社会にもたらされた変化は、その国の若者、特に女性によって、支持されてきた。
サウジアラビアの未来がどのように形作られていくのかを安倍首相が確かめることができるように、サルマン皇太子は、砂漠の私邸での会議と晩餐会に安倍首相を迎える際に、独特のもてなしをする予定だ。
「安倍首相とサルマン皇太子は、中東情勢やポスト石油経済について議論するだろう。この新経済において、巡礼者の受入数を1000万人から3000万人(日本への旅行者数と同等)に増やすことで、サウジアラビアは少なからず活気づくかもしれない。」
安倍首相に同行する谷口参与は、次のように付け加えた:「より実務的な話では、サルマン皇太子は、来たるべきG20を成功させるためにサウジアラビア政府がなすべきことについて、安倍首相に助言を請うだろう。というのも、安倍首相は2019年のG20大阪サミットを実にうまくやり遂げているので。」