ハロウィーン本番が31日に迫った。例年、多くの若者が集まる東京・渋谷は、週末から混雑が予想される。昨年は仮装した男による電車内の無差別刺傷事件も起きており、東京都渋谷区と警視庁は警戒を強めている。
区は迷惑行為対策として、28日から11月1日にかけての夜間から早朝、駅周辺での路上飲酒を条例で禁止。「ルールを守る人は、渋谷を守る人」と掲げた看板を設置するなどしてマナー向上も呼び掛け、29日からは雑踏対策に警備員約100人を投入する。長谷部健区長は「来訪制限はしないがマナーを守ってほしい」と訴える。
新型コロナウイルスの行動制限が緩和されたことに伴い、どの程度の人数が集まるかは未知数だ。政府は11日、入国者数の1日の上限を撤廃するなどしており、多くの外国人来訪も予想される。区担当者は「コロナ禍で屋外で飲酒する文化が根付いたことも心配だ」と話す。路上の飲酒や喫煙を注意して回る職員は昨年の1.5倍に増やしたという。
昨年のハロウィーン当日は、調布市を走る京王線の車内で乗客17人が無差別に刺されるなどした事件があった。殺人未遂容疑で逮捕された男は人気映画「バットマン」シリーズの悪役「ジョーカー」の仮装をしており、「当初、ハロウィーンの群衆襲撃を考えた」という趣旨の供述をした。
警視庁は制服警察官を多数配置するなど、コロナ禍の自粛ムードが強かった昨年よりも態勢を強化し、痴漢や窃盗対策にも力を入れる。同庁幹部は「不審な仮装をする人には積極的に職務質問していく」と話した。
時事通信