
政府は20日、2020年度当初予算案と19年度補正予算案を国会に提出した。20年度予算案の一般会計総額は19年度当初予算比1.2%増の102兆6580億円と過去最大。相次ぐ自然災害からの復旧や海外経済の不透明感、東京五輪・パラリンピック後の景気の落ち込みに備え、補正・当初を一体編成する「15カ月予算」として大型経済対策を盛り込んだ。3月末までの成立を目指す。
来年度予算案では、国の政策経費となる一般歳出が2.5%増の63兆4972億円。昨年10月の消費税率10%への引き上げと同時に始まったキャッシュレス決済時のポイント還元や、五輪後の9月に始まるマイナンバーカード保有者への買い物用ポイント付与の新制度をはじめ景気を下支えする臨時対策費に1兆7788億円を計上した。
歳出全体の3分の1超を占める社会保障費は、高齢化に伴う医療費増に幼児教育・保育の無償化などが加わり5.1%増の35兆8608億円と過去最大。4月からは低所得者世帯の高等教育も無償化される。
19年度補正予算案では、災害多発を踏まえた防災機能強化などに計4兆4722億円を追加歳出。河川や道路を中心とした復旧・復興に2兆3086億円、経済リスクに備えた中小企業・農業支援などに9173億円をそれぞれ計上した。
20年度予算案の財源となる税収は、20兆円を超える消費税を柱に、1.6%増の63兆5130億円を確保する見通し。歳入不足を補う新規国債発行額は微減となり、当初段階で10年連続で減少する。ただ、歳出の3割超を借金で賄う不健全な構図は変わっておらず、野党は財政規律が甘いとして厳しく追及する構えだ。
JIJI Press