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英国、ガザの「ジェノサイド」をめぐる南アフリカの提訴を支持しないダブルスタンダードで非難される

1月7日、ハーン・ユーニスにおいてイスラエルによる空爆での被害を調査するパレスチナ人(AP)
1月7日、ハーン・ユーニスにおいてイスラエルによる空爆での被害を調査するパレスチナ人(AP)
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08 Jan 2024 05:01:47 GMT9
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  • 英国は昨年11月、ミャンマーによるロヒンギャ族への対応をジェノサイドとする提案を支持していた
  • 英国がイスラエルの場合はミャンマーとは別として対応するならば、「まったくもって不誠実」と専門家

アラブニュース

ロンドン:英国は、ミャンマーによるロヒンギャ族の対応をジェノサイド(民族集団虐殺)とする提案を支持してからわずか6週間後に、イスラエルがパレスチナ人に対してジェノサイドを行っていると主張する南アフリカの国際司法裁判所(ICJ)への提訴を支持しなかったことで非難を浴びている。

11日にハーグのICJで審問される南アフリカによる文書を支持しないという報道を受けて、英国の姿勢はダブルスタンダードだと非難されていると、オブザーバー紙が報じた

英国は11月、他の5カ国とともに、少数民族ロヒンギャに対するミャンマーの対応について「介入宣言」をICJに提出した。

この宣言では、組織的な自宅からの強制移動、医療サービスの剥奪、生存に必要最低限な食事を強制するなどがあった場合には、ジェノサイドの意図の基準を満たす可能性があると主張している。

英国はまた、大人よりも子供が標的にされた場合、ジェノサイドと判断される基準が低くなるとしている。

そして同国は、ジェノサイドの意図があるかどうかを司法が判断する場合、「明確な発言」や「殺害された人数」に頼るのではなく、行動パターンや事実証拠から合理的な推論を導き出すべきだとも主張した。

しかし、英国自ら提出した文書と、同様の指摘が多く含まれる南アフリカの文書との間で類似点があるため、英国はダブルスタンダードとみなされ、非難を浴びることになっている。

法律事務所バインドマンズ(Bindmans)で国際法のトップを務めるタヤブ・アリ氏は、ロヒンギャに関する英国の介入は「英国が国連のジェノサイド条約(集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約)の遵守を重視していること」を示していると述べた。

同氏はさらに、「ジェノサイドの行為とジェノサイドを行う意図について、英国が採用した定義は広く、狭くない」と付け加えた。

「英国はまた、障害、自宅での居住不能、広範な不正義によって引き起こされる、停戦後の生命のリスクをICJは考慮すべきであることも明確にしている」

アリ氏は、「もし英国が、ミャンマーの場合にこれほど重要かつ広範なジェノサイドの定義を提案してから6週間後に、今度はイスラエルの場合に狭い定義を採用するならば、まったくもって不誠実である」と述べた。

イスラエルは国連機関であるICJで自ら弁護する予定で、ガザにおいて展開中の作戦では民間人の犠牲を制限しようとしていると主張するだろう。

イスラエル当局はまた、パレスチナの統治を含む戦闘終結後のガザ地区についての計画には、ジェノサイドの意図がないことが示されているとも主張した。

しかし南アフリカは、英国が提出したロヒンギャに関する文書に記した多くの根拠を援用する可能性が高い。ロヒンギャ問題は、ガンビアが2019年に初めてICJに提訴し、その後数年にわたり法的議論を経ている。

2022年後半、ICJは、ガンビアには提訴する権利がないというミャンマー側の主張を退けた。一方、ミャンマーは2017年の軍事作戦でのジェノサイドを一貫して否定している。この軍事作戦の結果、73万人以上のロヒンギャが隣国のバングラデシュに避難した。

米国のニュースサイト「アクシオス」が報じたところによると、イスラエルは外交官に対し、南アフリカが提出した文書への国際的な反対意見を集めるよう命じたという。

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