
アラブニュース・ジャパン
東京:国家元首たる天皇の最も重要な行為の1つは、他国の国家元首と会い、国家間の親善を促進することである。
今上天皇徳仁陛下が皇位に就かれたのは4年前だが、その遥か以前から外交関係の基礎を固めてこられた。
1983年から1986年までオックスフォード大学に留学され、その間にヨーロッパ各地を訪問し、エリザベス女王やリヒテンシュタインのハンス・アダム2世(現公爵)、スペインのカルロス国王、ノルウェーのハーラル皇太子(現国王)、オランダのベアトリクス女王など多くの王室の方々とお会いしてきたのだ。
現在の皇后陛下である当時の小和田雅子さんとの結婚は、彼の外交家としての資質を大いに高めることとなった。雅子さんの父は、上級外交官であり国際司法裁判所の所長も務めた小和田恒氏だ。また雅子さんは、英語、ロシア語、ドイツ語、フランス語の4カ国語を操るマルチリンガルでもあった。
オックスフォード大学在学中、比較的自由人でいらっしゃった陛下は、欧州各地をふらりと訪れることもあったが、皇太子、そして天皇の称号を帯びる中で、陛下が各地で行ってきた会合がより大きな意味を持つようになった。そして、その中でも中東は陛下が最も愛された地域の1つだったようだ。
結婚後ほどなくして、皇太子と皇太子妃雅子さまは最初の公式訪問を行い、サウジアラビア、オマーン、カタール、バーレーンを訪問した。1995年にはクウェート、アラブ首長国連邦(UAE)、ヨルダンを訪問し、1999年にはフセイン国王の葬儀のためにヨルダンを再訪した。現在のアブドッラー国王にも何度か会われている。
天皇として行った最初の公式訪問の1人は、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下であった。同年2019年、天皇皇后両陛下はエジプト、ジブチ、トーゴ、マリ、ナイジェリア、ソマリア、南スーダンなどの大統領とも会見された。
2005年、ファハド国王の崩御に哀悼の意を捧げるためにサウジアラビアを訪問した陛下(当時皇太子)は、2011年と2012年にも同国を訪れ、スルタン皇太子とナエフ皇太子の薨去に哀悼の意を表している。2015年にはアブドッラー国王の崩御に際し、改めてサウジアラビアに弔問に訪れた。
2022年、日本はカタールやオマーン、バーレーン、UAEなど多くのアラブ諸国との国交樹立50周年を祝賀した。こうした国々の指導者と皇室との間には、密接な関係が育まれてきたのだ。