
岸田文雄首相は、5月に広島市で開く先進7カ国首脳会議(G7サミット)にインドのモディ首相を招待する方針を固め、20日にニューデリーで行う日印首脳会談で伝える方向で調整に入った。岸田氏は19日夜、インドに向けて政府専用機で羽田空港を出発した。22日未明に帰国する予定。
岸田氏は今回の訪問で、20カ国・地域(G20)議長国インドとの連携を強めたい考え。出発に先立ち、岸田氏は首相公邸で「日印両国が国際社会でどんな役割を果たすべきなのか、モディ首相とじっくり意見交換をしていきたい」と記者団に強調。日印2国間の関係強化を図る考えも示した。
広島サミットは、ロシアのウクライナ侵攻や中国の覇権主義的動きを念頭に、「法の支配に基づく国際秩序」の維持・強化を議題とする。食料価格の高騰など途上国を直撃する課題も取り上げる見込みで、インドの協力が不可欠と判断した。首脳会談ではこうしたテーマで足並みをそろえることを目指す。
20日にはシンクタンク「インド世界問題評議会」の会合で演説し、「自由で開かれたインド太平洋」構想の行動計画を発表する。途上国への開発協力強化や、同志国への安全保障能力向上支援を打ち出す見通しだ。
時事通信