
東京/台北:日本の松野官房長官は10日、日本政府は中国が台湾周辺で行っている軍事演習を一貫して「大きな関心を持って」注視していると述べた。演習は台湾に対するミサイル攻撃をシミュレーションしたもので、10日を以って最終日に入った。
演習を一貫して「大きな関心を持って」注視していると述べた。演習は台湾に対するミサイル攻撃をシミュレーションしたもので、10日を以って最終日に入った。
台湾の蔡英文総統がケビン・マッカーシー下院議長とのロサンゼルスでの会談を終えて台北に戻ったことを受けて、中国は8日に、3日間にわたる軍事演習の実施を発表した。
中国は民主的政府を擁する台湾を自国の領土と主張しており、台湾を北京の支配下に置くための武力行使をこれまで放棄したことはない。
日本は沖縄諸島と台湾の近さから、長年の間、台湾周辺地域での中国の軍事活動を懸念している。
松野博一官房長官は記者団に対し、「台湾海峡の平和と安定は我が国の安全保障はもとより、国際社会全体の安定にとっても重要」と述べた。
沖縄には主要な米空軍基地があり、昨年8月、当時のナンシー・ペロシ下院議長の台北訪問に抗議して中国が軍事演習を行った際、中国のミサイルは日本の排他的経済水域内に着弾した。
米国も中国の演習を注視する姿勢を示している。
中国軍は9日(演習の2日目)、台湾に対する精密攻撃のシミュレーションを行った。
人民解放軍の東部戦域司令部は10日、公式WeChatアカウントより、核兵器を搭載できるH-6爆撃機が台湾北部の空を飛ぶ様子を撮影したとされている短い動画を公開した。
動画では「ミサイルの状態は良好です」という声が聞こえる。動画は操縦席から見た映像なので声の主は不明だ。
「火器管制レーダーを起動し、ターゲットをロックする」と別の声が流れ、翼の下側のミサイルが映し出される。
続いて、パイロットがシミュレーション攻撃と称して火器管制ボタンの準備をし、ボタンを押す様子が映るが、ミサイルが発射される場面は見られなかった。
台湾軍は、スクランブル発進を実施し、軍艦を派遣して中国軍を監視する一方で、冷静な対応をとり続け、紛争を引き起こすことはないと述べている。
10日朝、台湾軍は、中国空軍の24時間以内の活動マップを公開し、戦闘機が再び台湾海峡の「中間線」(中台の領土の非公式な境界線)を越えていること、また、空母搭載型のJ-15戦闘機4機が台湾の東側の太平洋上で活動していることを示した。
台湾軍は詳細を明かしていないが、台湾政府は先週、東方に展開している中国の空母「山東」の動向を監視していることを発表した。
また、台湾軍は月曜日に、台湾製の対艦ミサイル「雄風」(場所は非公開)の移動式発射装置と、海上でミサイルを搭載した高速攻撃艇の写真を公開している。
ロイター