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ミカティ首相、クルダヒ情報相にポピュリズムより国益を優先するよう迫る

首相はさらに「妨害で物事が解決すると信じる者は、それが誰であれ」間違っていると、強い口調で述べた。(AFP)
首相はさらに「妨害で物事が解決すると信じる者は、それが誰であれ」間違っていると、強い口調で述べた。(AFP)
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05 Nov 2021 08:11:17 GMT9
05 Nov 2021 08:11:17 GMT9
  • ヒズボラとその同盟組織に宛てた首相メッセージ:レバノンは声の大きな集団が恐怖で動かせる国ではない
  • ミカティ首相はクルダヒ情報相に対し、国益を最優先し「これ以上政府の足を引っ張り時間を無駄に」しないよう強く求めた。

ナジャ・フーサリ

ベイルート: レバノンのナジーブ・ミカティ首相は4日、湾岸諸国とのさらなる対立激化を避けるため、ジョージ・クルダヒ情報大臣に再び辞任を要求した。

首相は情報相に対し、国益を最優先し「これ以上政府の足を引っ張り時間を無駄に」しないよう強く求めた。

さらにミカティ首相は4日、連立政権の一翼を担うヒズボラとその同盟組織が湾岸諸国との関係悪化を招いたと、激しく非難した。

「我が国を動かしているのは、反逆・傲慢・声の大きさ・脅迫ではなく、レバノンを救うため宗派を超えて国民に団結を促す言論だ」と首相は強調した。

さらにミカティ首相は、ヒズボラとその同盟組織に向けたと思われる、厳しい言葉を使った演説を行った。

「妨害活動や脅迫で自らの意見を押し通せると思うのなら、それが誰だろうと間違っている」とミカティ首相は述べた。

「レバノン人を無理やり操って、自国の歴史・アラブとの深いつながり・サウジアラビアなどアラブや湾岸諸国との密接な関係から切り離そうとするなら、それが誰であろうと間違っている」

ミカティ首相は、グラスゴーで開かれたCOP26首脳級会合に参加すると同時に、レバノンがサウジアラビアなどの湾岸諸国との間で抱える外交・経済危機について、各国代表との会談を重ねた後、3日に帰国した。

一連の会談が開かれる契機となったのは、クルダヒ情報相の就任前の発言だ。サウジアラビアを非難し、イエメンのフーシ派を擁護する内容だった。

クルダヒ情報相はアル・マヤディーンTVに出演し、ミカティ首相の要求に返答した。辞任せず、見解も変えないという。

ミカティ首相は4日に、ミシェル・アウン大統領とナビーフ・ベッリ国会議長と個別に面会し、COP26に合わせて行った会談の内容について説明した。

湾岸諸国の支援を受け現在の危機を抜け出すロードマップについて、アウン大統領と合意したと首相は述べた。

ミカティ首相はこう述べている。「何カ月も混乱・遅延が生じ好機を逃して現政権を発足させた時、我々には一刻も早く国を救出する使命があると発表した。総選挙の実施に加え、国際社会やIMF(国際通貨基金)との協力を進めなければならないと。

「我が国が直面している痛ましい現実を見て、皆が力を合わせて、救国という任務に積極的に参加すると我々は信じていた。しかし残念ながら、そうはならなかった」

さらにミカティ首相は、タヨーネ事件と、アマル運動とヒズボラ所属の閣僚たちがベイルート港爆発事件の捜査を指揮したタレク・ビタール判事が罷免されるまで閣議をボイコットすると決定した件についてコメントした。

さらに「政権内部からの排他的な妨害活動」を批判した。

こう付け加えた。「政権発足からひと月で最初の難題に直面した。政府とは全く関係のない司法命令に介入せざるを得なくなったからだ。

「内閣としてはベイルート港爆発事件の調査に介入することは拒否した。しかしビタール判事に対し誤った方針を正すよう強く求めた。特に大統領や大臣を裁判にかけようとした点だ。しかし、それでは足らないという人もいた」

ミカティ首相はこう述べた。「我々は閣議を開く道を懸命に探っていた。しかしクルダヒ情報相が就任前に個人的見解を述べ、事態はより困難になった。サウジアラビアなど一部湾岸諸国が、レバノンとの関係を断絶するに至ったのだ」

首相はこう述べた。「閣議とは、命令・挑発・大声・脅迫を排除し、政府に関するあらゆる問題点を率直に議論する場だ。とりわけ司法など、政府と関係のない問題に干渉するため、内閣を利用することは決して許されない」

ミカティ首相は述べた。「すべての閣僚が結束して、政府の役割と政策の基本原則を定めた、大臣就任声明を遵守しなければならない。我々は、理にかなったルールに基づき、サウジアラビアなど湾岸諸国との関係改善を図ると決意している。

「政局により対外関係が犠牲になるのは許されない。この点を鑑み、クルダヒ情報相に対し、自らの良心に従い、状況を読み、正しい行動を取り、ポピュリズムより国益を優先するよう再度要求する。クルダヒ情報相の国を思う心に賭けようと思う。現状を正しく判断し、レバノン国民や海外で暮らす同胞の利益にかなう行動を取るよう願う」

首相はさらに「妨害で物事が解決すると信じる者は、それが誰であれ」間違っていると、強い口調で述べた。「レバノンやレバノン国民全体の代表として、一方的に発言できる政党など存在しないことを、全員が認識しなければならない」と付け加えた。

政治評論家たちの情報によると、ミカティ首相はグラスゴー滞在中に国際社会からの支援を取り付けたという。

政治記者のトニー・フランシス氏は、アラブニュースにこう語った。「グラスゴーで会談した各国のリーダーたちは、ミカティ首相に自らの責任を果たし、毅然として行動するよう求めました。国際社会がミカティ政権の退陣を認めることは決してありません」

フランシス氏はこう付け加えた。「ミカティ首相の政治姿勢はある意味大胆で、ヒズボラとその同盟組織から無視される可能性もあります。イランがレバノンで何を求めるかで、すべての状況が変わってしまいます。目的を達成するため、イランはあらゆる政治勢力を利用しています。

「一方でイランは、11月29日からウィーンにて核交渉を再開することに合意しています。ミカティ首相の強い姿勢の背景には、イラン政府に対する西側諸国の反応があるのかもしれません。ですから、不透明な状況は続き、11月29日までは何らの解決策も得られないでしょう」

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