
岸田文雄首相の遊説先で起きた爆発事件で、威力業務妨害容疑で現行犯逮捕された無職木村隆二容疑者(24)が、年齢などを理由に昨年7月の参院選に立候補できなかったのは違憲として、国に損害賠償を求める訴訟を神戸地裁に起こし、棄却されていたことが18日分かった。
選挙制度に強い不満を持っていたとみられ、同容疑者とみられる男が、地元を地盤とする国会議員に対し、立候補年齢の引き下げなどを訴えていたことも明らかになった。
訴訟資料によると、木村容疑者は昨夏の参院選に立候補しようとしたが、30歳に達しておらず、供託金も用意できなかったため、立候補できなかった。こうした公選法の規定について、年齢や財産を理由とした差別で憲法違反だと主張し、精神的損害を受けたとして10万円の賠償を請求した。提訴は参院選公示日の昨年6月22日付で、代理人弁護士を付けない本人訴訟だった。
神戸地裁は昨年11月、公選法の規定は合理性があるなどとして請求を棄却。木村容疑者は判決を不服として控訴し、大阪高裁で5月に控訴審判決が予定されていた。
大串正樹デジタル副大臣(衆院比例近畿)の事務所によると、昨年9月に同容疑者が参加していた兵庫県川西市議(当時)の市政報告会に出席した大串氏が、同容疑者とみられる若い男から「年齢を引き下げるべきだ」などと話し掛けられたという。
時事通信