


クルーズ船で日本から帰国した香港の80代男性が新型コロナウイルスに感染していた問題で、厚生労働省は5日午前、横浜港に停泊中のクルーズ船内の日本人3人を含む10人の新型ウイルス感染を確認したと発表した。
10人の中には発熱や呼吸器症状がある人もいるが、意識はあり、神奈川県内の感染症指定医療機関に搬送された。国内での感染確認は33人となった。
加藤勝信厚労相は、クルーズ船内の人に対し、原則として14日間、船内にとどまってもらう考えを示した。感染時に重症化する恐れがある高齢者らに対しては、症状がなくてもウイルス検査を行う方針も示した。
厚労省によると、10人は50代4人、60代4人、70代1人、80代1人。日本人3人は50代女性と60代男女。クルーズ船には、日本を含め56の国と地域の乗員1045人と、日本人1281人を含む乗客2666人の計3711人が乗っており、同省が発熱などの症状のある120人と、その濃厚接触者を含め計273人分の検体を採取。
31人分の結果が判明し、10人から陽性反応が出た。大部分は判明しておらず、患者は今後増える可能性がある。
同省によると、10人中2人は香港の男性との濃厚接触者で、1月22日にクルーズ船が鹿児島に寄港した際に一緒に下船し、オプションのバスツアーに参加した。バスには2人を含め40人の乗客と運転手ら2人が乗っていた。
同省は神奈川県に対し、クルーズ船から、10人を搬送するよう要請。海上保安庁の巡視船や救急車を使い、クルーズ船から医療機関に搬送されたという。
同省や横浜市によると、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」は3日午後7時半ごろ、同市の大黒ふ頭沖に到着。香港男性の感染が発覚したため、同省
1日の那覇入港時に行った検疫を取り消した上で、3日から再検疫を始めた。
JIJI Press