
北朝鮮の弾道ミサイルが日本の領域に落下する事態に備える破壊措置の準備命令が出たことを受け、防衛省は23日、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を沖縄県に追加配備する作業に着手するなど、迎撃態勢の準備を進めた。同省は「地元と調整しながら必要な場所に配置し、万全の態勢を取る」としており、上空通過が予想される先島諸島にも展開させる見通しだ。
北朝鮮は初の軍事偵察衛星の打ち上げ準備を月内に完了すると予告し、朝鮮中央通信は19日、金正恩朝鮮労働党総書記が計画通りの実施を指示したと報道。浜田靖一防衛相は22日、破壊措置の準備命令を出した。
命令は、沖縄県内への空自PAC3追加配備と、海上配備型迎撃ミサイル「SM3」を搭載したイージス艦の周辺展開が柱。陸自部隊にも被害に備えた出動準備を出した。
防衛省関係者によると、過去の人工衛星と称した北朝鮮の打ち上げは、大半が沖縄上空を通過する軌道だったことから、今回の命令も沖縄地域を対象とした。
沖縄本島にはPAC3の部隊が四つあるが、先島諸島には配備されていない。2012年の前回準備命令では、PAC3を石垣島や宮古島などにも展開した。
今回も既に九州などからPAC3の発射機やレーダーを移動させており、自治体の承諾を得た上で、各島に展開する方針。イージス艦も同地域を重点警戒するという。
時事通信