
ワシントン:米国は28日、スーダンの不安定な情勢を悪化させたとして、ロシアを拠点とする企業を含む2社と1人を制裁対象とした。スーダンでは、戦闘により数千人が死亡し、数百万人の民間人が避難を余儀なくされている。
これは、内戦勃発後に米国が課してきた制裁措置の最新のものである。スーダン内戦は、長年の支配者オマル・アル・バシール元大統領が民衆蜂起により打倒されてから4年後の4月、スーダン軍と準軍事組織である迅速支援部隊(RSF)の間で、政治移行計画とRSFの軍への統合を巡って勃発した。
「今日の措置は、スーダンにおける、和平的な民主的解決策を見出そうとする努力を損なう者たちの責任を問うものだ」と、米財務省のブライアン・ネルソン次官(テロ・金融情報担当)は声明で述べた。
「我々は、個人的な利益のためにこの紛争を永続化させる行為者に対し、引き続き制裁を課す」
財務省は、バシール政権下で外相を務め、2019年に同政権が倒された後にスーダン・イスラム運動の指導者となったアリ・アハメド・カルティ氏を制裁対象にしたと述べた。
カルティ元外相は、2021年の軍とRSFによるクーデターの後、自らの利益を保護し、ある程度の影響力を取り戻すために策動してきた。同氏は、バシール元大統領のイスラム主義政権の忠実な支持者や退役軍人の間で著名な人物である。
彼らイスラム主義者たちはRSFとの戦いでスーダン軍を支援しており、元諜報部員を含む複数名が軍の隊列に加わっている。
「カルティ氏をはじめとするスーダンの強硬なイスラム主義者たちは、スーダンの市民や民主化を回復させるための努力に反対し、国軍(SAF)とRSF間の現在の戦争を終結させるための停戦への努力を積極的に妨害している」と財務省は述べた。
また、スーダンを拠点とするGSKアドバンス・カンパニー(GSK Advance Company)も制裁の対象となった。財務省はRSFの調達ルートとして同企業が利用されてきたと述べている。
GSKは、同じく28日に制裁対象となったロシアに拠点を置く軍需企業アヴィアトレード(Aviatrade)と協力し、RSFが以前購入したドローンの部品や消耗品の調達、また訓練を手配したと財務省は述べた。
RSFは長い間、アラブ首長国連邦およびロシアと最も緊密な外交関係を築いてきた。
RSFの顧問であるモスタファ・モハメド・イブラヒム氏は28日、アルジャジーラに対し、同部隊は制裁を受けた2つの企業とは何の関係もないと語った。
カルティ氏が率いるスーダン・イスラム運動は、同組織はスーダンの安定を求めており、米国による制裁は「名誉の証」であると声明を発表した。カルティ氏は戦争勃発時スーダンにいたが、現在の所在は不明である。
アントニー・ブリンケン米国務長官は別の声明で、スーダンのイスラム主義者や元政府高官など、スーダンの民主化移行を弱体化させようとしていると思われる人物、人権を抑圧している人物、その他の行動に関与している人物に対し、米国は今週、ビザ制限を課す措置をとったと述べた。
28日の制裁は、今月初めのRSFの副司令官に対する措置と、米国が紛争を煽っていると非難した企業に対する6月の制裁に続くものである。
この制裁措置は、対象となった企業の米国内の資産を凍結し、米国人がこれらの企業と取引することを禁止するものである。また、これらの企業と特定の取引を行う企業も制裁の対象となる。
ロイター