• NATO加盟国である両国間で、緊張緩和を目的としたハイレベル会合が行われた
• トルコ政府はクルド人勢力を標的とした攻撃をさらに実施した

アラブニュース

ジェッダ：2023年10月6日金曜、シリア北東部で高まる緊張を緩和するため、NATO加盟国であるアメリカとトルコが、ハイレベル会合を行った

アメリカが支援するクルド人勢力を標的としたトルコ軍の無人戦闘機を、アメリカ軍戦闘機が撃墜した事件の翌日、トルコ外務大臣のハカン・フィダン氏とアメリカ国務長官アントニー・ブリンケン氏が会合を行った。アメリカ国務省は、トルコ軍無人戦闘機は米軍から500メートルも離れていないところを飛行しており、脅威と判断したと述べた。

10月1日日曜、アンカラで非合法武装組織クルド労働者党（PKK）による自爆テロが発生して以降、緊張が高まっている。トルコ政府はシリアから来た2人が爆弾テロを起こしたとし、シリア北東部のクルド系施設は合法的な軍事標的であると主張した。

トルコ政府はシリアにあるクルド人民防衛隊（YPG）が支配する石油施設やその他インフラに対し相次ぐ空爆を開始した。YPGはアメリカが支援するシリア民主軍（SDF）の主体となる武装組織である。トルコ政府はYPGをPKKの分派と見なしている。一方、ほとんどの西側諸国はPKKをテロ組織としているが、YPGはそうではないとしている。

シリア民主軍はこの地域からダーイシュ武装勢力を排除する戦いを指揮し、以降、シリア民主軍に対するアメリカによる支援は、トルコとアメリカ両政府間の緊張を招いている。トルコ大統領府は６日金曜、外国からのYPGに対する支援を 「途方もなく愚かな行為」だと発言した。

トルコ外交筋によると、6日金曜、フィダン氏はブリンケン氏に対し、トルコの無人機が撃墜されが、トルコ政府のシリアでの軍事活動は「断固として継続する」と語ったという。なお、二人は同地域における将来の紛争を縮小していく方法について合意に達したという。

一方、トルコは6日金曜、クルド人勢力を標的とした攻撃を続けた。軍はシリア北部で一晩で26人のクルド人戦闘員を殺害し、油田や貯蔵施設、避難所など、シリア北部にある30カ所のクルド人支配施設を破壊したと発表した。

外務省は「テロ組織がシリアで設置したすべての施設と収入源は、組織的方法で破壊され続けるだろう」と述べた。

トルコ国内では、東部アグリ県でPKK武装勢力2人が無人戦闘機と攻撃ヘリコプターによる作戦中に、特殊部隊と衝突し死亡したと内務大臣のアリ氏が発表した。