
テヘラン:イランの国営テレビの報道によると、13日、イラン全土で政府が支持するパレスチナのイスラム組織ハマスを支援し、封鎖されているガザ地区で続くイスラエルによる爆撃に反対するデモ集会が国主導で開催された。
イスラエル軍は過激派組織ハマスによる苛烈な攻撃に応戦するために、予想される地上侵攻に備えて戦車を集結させる一方で、13日、ガザ地区の100万人以上の民間人に対し、24時間以内に南に退避するよう勧告した。
イランのデモ参加者は「イスラエルに死を。シオニズムに死を!」と叫び、その多くがパレスチナ国旗や、イランが強力に支援するレバノン武装組織ヒズボラの旗を掲げていた。
13日、中東各国やその他周辺諸国の数万人のデモ参加者は、パレスチナ人を支持し、ハマスが掌握するガザ地区の封鎖を強化するイスラエルを非難した。
先週末、ハマスがイスラエルに対して史上最悪の死傷者を出した攻撃を行ったが、その後、イスラエルはガザ地区に空爆と砲撃を続けている。
イランの政府系の国営テレビは、イランの集会を「同じ痛みを持つものの叫び…。シオニスト政権(イスラエル)に人間性を踏みにじられた痛みである」と表現した。
しかし、イラン政府はハマスを始めパレスチナやレバノンの過激派組織を一貫して支援しているが、国民から幅広い支持は得られていない。国民の多くが、政府はハマスやヒズボラに巨額な資金援助を行っているが、自国の経済成長のためにもっと資金を投入すべきと不満を抱いている。
パレスチナの大義の後ろ盾になることは、1979年のイラン革命以来、イランの政治的柱であり、シーア派イスラム教の教義による神権政治により、イスラム世界のリーダーとしてのイランを形作った国の方針でもある。
イランのホセイン・アミラブドラヒアン外相は13日、イスラエル・ハマス紛争についてヒズボラと話し合うために、ベイルートを訪れた。
ロイター