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ヒズボラとイスラエルによる越境交戦により死傷者、緊張高まる

2023年10月15日、レバノンとの国境に近いイスラエル北部の未公表の地点を装甲兵員輸送車でパトロールするイスラエル軍兵士。(AFP)
2023年10月15日、レバノンとの国境に近いイスラエル北部の未公表の地点を装甲兵員輸送車でパトロールするイスラエル軍兵士。(AFP)
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16 Oct 2023 04:10:53 GMT9
16 Oct 2023 04:10:53 GMT9
  • イスラエル軍は、レバノンのヒズボラやパレスチナ人同盟勢力への報復攻撃が激化したため、民間人に対し国境付近を立ち入り禁止にした

ナジャ・フーサリ

ベイルート:イスラエルの情報筋によると15日、レバノンのヒズボラとイスラエルとの越境交戦により死傷者が出ており、ヒズボラは民間人を殺害した攻撃の責任について主張している。

国連平和維持軍の基地にロケット弾が命中するなど、この交戦により、イスラエル北部国境付近の緊張がさらに高まっている。

イスラエル軍は、レバノンのヒズボラやパレスチナ人同盟勢力への報復攻撃が激化したため、民間人に対し国境付近を立ち入り禁止にした。

レバノンとイスラエル間のブルーライン(停戦ライン)における緊張状態は、もはや一部地域に限ったことではなく、すべての国境一帯が衝突地点となっている。

これらの攻撃に対抗したイスラエルの爆撃による影響が、レバノンの民間人にも及んでいる。

レバノンとイスラエル間の緊張が高まる中、レバノンにいる自国民に対して、紛争地域に近づかないよう要請する外国大使館が増えている。

カナダ大使館は15日、自国民に対して、「事前の警告なく治安情勢が悪化する可能性がある」として、「予測不可能な治安情勢、テロ攻撃の脅威の増大、イスラエルとの武力衝突のため、レバノンへの不要不急の渡航を避ける」よう要請した。

ドイツ政府も同日、レバノン、イスラエル、パレスチナ自治区へ渡航しないように警告し、これらの地域にいる自国民にドイツ当局と連絡を取るよう要請した。

米国と英国も自国民に対し、レバノンに渡航しないよう警告している。

アラブニュースの取材によると、UNIFIL(国連レバノン暫定軍)部隊はレバノン人や外国人事務職員に対し、ナクーラのUNIFIL事務所ではなく、リモート勤務を要請したという。

UNIFILは情勢の変化に伴い、毎日指示を出す予定であると付け加えた。

国境付近の緊張状態により、南部の国境地域からの移動が増えている。 

アラブニュースによる従軍記者への取材によると、1,000人の避難民がティレの学校に移動しているという。

フセイン・サード特派員は次のように語った。「これら避難民は別の場所に移動する経済的手段を持ち合わせていません。赤十字と連携する救援委員会、自治体、地域の政党、レバノン高等救援委員会から支援を受けています」と述べた。

ある政治オブザーバーは「国境地帯では現在、ナクーラからシェバア農場までの一帯を緩衝地帯(fire belt)に変えようとしているようだ」と語った。

そして次のように続けた。「状況はまだ、イスラエルへの圧力と紛争ルールの範囲内に留まっている」

「変わった点は、以前はヒズボラに限られていたのだが、パレスチナ人勢力が越境してイスラエル側に攻撃できるようになったことだ」

「日々強いられるこの緊張状態やイスラエルからの爆撃が住民に悪影響を及ぼしており、影響が及ぶ住民は直接要請されるまでもなく、避難に追い立てられている。この点は、ヒズボラが住民に対して、イスラエルからの攻撃の影響にさらされる地域から一刻も早く退避するように要請した、2006年の紛争時とは異なる」。

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