
カイロ/ワシントン/ガザ/ドバイ:エジプトのサーミフ・シュクリー外相は16日、イスラエル政府はまだ、エジプトとガザ地区を結ぶラファ国境検問所の開通を認める姿勢を示していないと述べた。
紛争が勃発して以来、エジプトはラファ国境検問所の運用を維持することを目指してきたとシュクリー外相は述べ、ガザのパレスチナ人が直面している状況を「危険」だ述べた。
過激派組織ハマスによる攻撃で1,300人が死亡して以来、イスラエルによる激しい空爆が続くガザに援助物資を届けるための外交努力の中で、当初、エジプトが管理するガザへの国境検問所は再開される見込みであった。
「ラファは再開されるでしょう。われわれは、国連、エジプト、イスラエル、その他の国々と協力し、援助を必要としている人々に援助を届けるための仕組みを整えています」と、アントニー・ブリンケン米国務長官は15日、エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領と会談した後に述べた。
ブリンケン国務長官は、検問所の具体的な再開時期について明言しなかった。ブリンケン氏は、15日に中東人道問題特使に任命されたアメリカのベテラン外交官、デービッド・サッターフィールド氏が、詳細を詰めるために16日にエジプトに到着すると述べた。
ベンヤミン・ネタニヤフ・イスラエル首相事務所は16日、ガザ地区から隣国エジプトに脱出する外国人を受け入れるための一時停戦に関する報道を否定した。
しかし軍は、午前8時から正午までの限られた時間内は、ガザ地区の北部から南部への避難のために指定されたガザ内のルートを攻撃しないことを約束した。
メディアの報道によれば、イスラエルとエジプト、そしてアメリカは、ガザとエジプトを結ぶラファ検問所を16日に数時間開放し、外国人の脱出と援助物資の搬入を一回限り認めることで合意したという。
しかし、ネタニヤフ首相の事務所は声明で、「ガザでは現在、外国人の退去を引き換えとした停戦や人道支援は行われていない」と述べた。
援助部隊の車列はエジプト側で待機しているが、目撃者によると、16日になってもラファの東約40キロにあるエル=アリーシュの町を出ていない。
イスラエル軍は16日、想定されている地上攻撃から逃れるため、住民が南へ移動するためのガザ地区の2本の道路を攻撃することは控えると述べた。
「イスラエル国防軍は午前8時(0500GMT)から12時(0900GMT)まで、指定された軸を標的とすることを控える」とアビチャイ・アドレー軍報道官はX(旧ツイッター)で述べた。
「安全のため、この短い期間を利用して、ガザ地区北部とガザ市から南へ移動してください」
ジョナサン・コンリクス軍報道官は別の声明で、指定された2つの道路はその間「安全に使用できる」と約束した。
アメリカのジョー・バイデン大統領はイスラエルに対し、ハマスの攻撃への対応において戦争法に従うよう促し、15日にはSNSへの投稿で、「圧倒的多数のパレスチナ人はハマスによる恐ろしい攻撃とは無関係であり、その結果苦しんでいる」と述べた。
バイデン氏はまた、15日に放映されたCBSの「60ミニッツ・インタビュー」で、イスラエルはハマスを排除する必要があると述べたが、イスラエルがガザを占領するのは間違いだと警告した。
NBCニュースはパレスチナ政府関係者の話として、ラファの国境検問所は16日の午前9時に再開されると伝えた。ABCニュースは治安筋の話を引用して、検問所は16日に数時間だけ開かれるだろうと報じたが、詳細は提供していない。
イスラエルは、疲弊したガザの住民に南への避難を促しており、200万以上の人々が住むこの包囲された地域では、すでに数十万人が避難している。ガザを支配しているハマスは、人々にイスラエルのメッセージを無視するよう指示している。
過激派グループは、「ハマスはつねに、降伏などない、あるのは自由と正義だけだと言ってきた」と、15日の声明で述べている。
ガザのパレスチナ人によれば、イスラエルによる夜通しの爆撃は、イスラエルが先週に報復攻撃を開始して以来、もっとも激しいものだったという。彼によれば、とくにガザ市での空爆は激しく、市内の2つの主要病院周辺が空爆された。
国連人道問題調整事務所(OCHA)が16日に発表したところによると、ガザ地区全域の病院における燃料備蓄はあと24時間程度しか持たない見込みで、数千人の患者が危険にさらされている。
ブリンケン長官は、ここ数日に彼が訪れたアラブ諸国の指導者たちは、戦争の拡大を食い止めようと決意していると語った。ブリンケン長官はまた、ハマスによってガザに連れ戻されたとイスラエルが主張する、アメリカ人を含む155人の人質の解放を確保しようとしている。
ハマスとヒズボラの両方を支援するイランは、イスラエルがパレスチナ人を攻撃し続ければ状況が激化すると警告し、単なる傍観者でいられないとつけ加えた。
イスラエルによる封鎖で、燃料、食料、水がガザに入らなくなったが、ネタニヤフ首相はガザ南部の一部への水の供給を再開することでバイデンと合意した、と閣僚が15日に述べた。