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イエメンの石油タンカー回収作戦は「順調に進展」と国連が発表

上:2020年6月19日、ラス・イサ港沖の石油タンカー「FSOセイファー号」(マクサー・テクノロジーズ/AFP)
上:2020年6月19日、ラス・イサ港沖の石油タンカー「FSOセイファー号」(マクサー・テクノロジーズ/AFP)
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09 Jul 2023 02:07:58 GMT9
09 Jul 2023 02:07:58 GMT9
  • 代替船「ノーティカ号」が間もなくセイファー号の係留地点へ向けてジブチから出航する予定

サイード・アル・バタティ

アル・ムッカラー:老朽化が進む石油タンカー「セイファー号」の回収作戦は現在効率的に進められており、同タンカーに積載されている100万バレルを超える原油を別の石油タンカーへ移す待望の行程が「間もなく」開始されると国連が発表した。

デイビッド・グレスリー国連人道調整官のコミュニケーション顧問を務めるラッセル・ギーキー氏は、「浮体式原油貯蔵積出設備(FSO)『セイファー号』から原油を回収するための準備作業は順調に進んでいます」とアラブニュースに語った。

そして、「代替船ノーティカ号が原油を引き取るためにジブチからセイファー号の係留地点へ向けて間もなく出航することが見込まれています。原油移送作業は開始から約2週間かかる予定です」と説明した。

イランが支援するフーシ派は、イエメン西部の紅海に面した都市ホデイダの沖合に係留されている老朽化した石油タンカー「FSOセイファー号」に国際機関から派遣された技術者が乗船することを長年拒否した後、許可を出した。

2015年初めにフーシ派がホデイダ県を制圧して以来、セイファー号は通常のメンテナンスを受けていなかったため、地元および国際的な環境保護活動家や当局者らは、同タンカーが爆発したり崩壊したりすれば、紅海で大規模な環境大惨事が起こると長年警告してきた。

サビが蝕む船体と、海水がタンカーの内部に流れ込む様子を捉えた映像は、この3年間、国際的な注目を集めてきた。

国連職員は、たとえセイファー号に積載されている原油が移送されたとしても、同タンカーが依然として脅威をもたらす存在であることに変わりはないと述べ、セイファー号のリサイクルや代替船をその係留ブイに繋ぐ作業など、セイファー号回収作戦を完了するために必要となる追加資金援助を要請した。

「原油の移送が終わっても、セイファー号には依然として環境に脅威を与える問題が残ります。この老朽化したタンカーには、粘性のある油がいくらか残り、崩壊する危険性があることも変わりありません」とギーキー氏は語った。

「国連が開始した作業を完了するには、セイファー号の環境配慮型の船舶解体所までの曳航や、代替船をCALM型係留ブイに安全に繋いで原油の安全な保管を確保する作業などのために、2,800万ドルの追加資金が緊急に必要となっています」

国際的に認められたイエメン政府の関係者によると、国連から回収作業の第一段階が完了したとの報告を受けたという。その間、技術者は船体の壁の浸食レベルをテストし、火災を防ぐために酸素含有量を最小限に抑える不活性ガスを船に導入した。

匿名を条件にあるイエメン政府関係者はアラブニュースに、「タンカーは現在、原油を移す準備ができています」と語った。そして、イエメン政府は国連と協力し、原油の移送を監視するため、ホデイダ、紅海沿岸都市のモカ、アデン湾に面する港湾都市アデンの3カ所に緊急対策室を設置したという。

 

 

 

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