
ワシントンD.C.:19日に米海軍の艦艇が、イエメンのフーシ派武装組織により発射されたイスラエルを狙った可能性のあるミサイルとドローンを撃ち落としたと、米国防省が発表した。
3発の「対地巡航ミサイルと複数のドローン」を駆逐艦が撃墜したと、報道官が記者らに述べた。この攻撃はイエメンから行われたもので、「イスラエルの標的に向かっていた可能性がある」という。
「USSカーニー」は、イスラエルとガザ地区のハマス武装組織との戦争をうけて、安定を維持するためにジョー・バイデン大統領が命じた米軍の大規模な配備増強の一環として、紅海の巡視にあたっていた。
ミサイルは、イランが支援するフーシ派がアラブ連合軍の支援を受ける政府と内戦状態にあるイエメンから発射されたと、報道官は述べた。
報道官によると、米軍の被害はなく、「これらのミサイルの標的が何であったか確実なことは言えないが、イエメンから発射されたものであり、紅海に沿って北へ向かっていた」
報道官は続けてこう述べた。「我々の防衛対応は、この地域におけるいかなる同様の脅威に対しても行う対応であり、我々は、この地域における広範な利益を守り、地域での激化と、ハマスのイスラエル市民への攻撃から始まった紛争のより広範な拡大を阻止するための能力を有している」
バイデン氏は、イスラエル・ハマス戦争の地域での波及を防ぐために、空母2隻の派遣を含む、中東への空軍および海軍の軍備の増強を命じている。
17日に、国防省は配備の可能性に備えて兵員2,000人の準備を命じた。
ロイド・オースティン国防長官が、この配備により米国がこの危機に「より迅速に対応する」ことが可能になると述べた一方で、ホワイトハウスは陸上に米国の戦闘部隊を送り込むつもりはないと強調した。
米国のメディアは、配備に向けて準備中の部隊は、医療支援や爆発物の取り扱いといった支援任務を担うだろうと伝えた。
バイデン氏は今週イスラエルを訪問し、米国の支援を劇的な形で示した。そして、19日のうちにホワイトハウスで演説を行い、イスラエルと攻撃を受けるもう1つの米国の同盟国であるウクライナに対する軍事支援への資金供給を議会に求める予定となっていた。
政府がイスラエルに、米軍は強力なレバノンの運動組織ヒズボラからイスラエルへの攻撃があればイスラエル軍と共に戦うと伝えたという報道について、18日夜にジャーナリストらから問われたバイデン氏は、これは「事実ではない」と述べた。
しかし、ヒズボラからの攻撃があった場合の「代替策をどうするかについて、我が国の軍はイスラエル軍と話し合っている」と同氏は述べている。
ロイター