
ワシントン:元米国大統領バラク・オバマ氏は23日、ハマスに対するイスラエルの戦争行為の一部、特にガザへの食糧と水の供給を遮断することは、「パレスチナの態度を何世代にもわたって硬化させると同時に、イスラエルへの国際的支持を弱める可能性がある」と述べた。
オバマ氏は、外交政策上の危機について珍しくコメントし、戦争の人的コストを無視するイスラエルの軍事戦略は、「最終的に裏目に出る可能性がある」と述べた。
「イスラエル政府が、包囲の中にあるガザ民間人への食料、水、電気を断つという決定は、拡大する人道的危機を悪化させるだけでなく、パレスチナの態度を何世代にもわたって硬化させると同時に、イスラエルへの国際的支持を弱め、イスラエルの敵の術中にはまり、この地域の平和と安定を達成するための長期的な努力を損なう可能性がある」
イスラエルは、ハマスによる10月7日のイスラエル攻撃で1400人以上の死者を出して以来、ガザに激しい空爆を行っている。ガザ当局によれば、イスラエルの空爆によって5000人以上のパレスチナ人が死亡したという。
オバマ氏はハマスの攻撃を非難し、イスラエルの自衛権を改めて支持する一方で、このような戦争における民間人へのリスクについて警告した。
オバマ氏が、大統領時代に8年間副大統領を務めたジョー・バイデン米大統領と声明を調整したかどうかは定かではない。
オバマ氏は大統領在任中、ガザのパレスチナ系イスラム主義組織ハマスとの紛争が始まった当初は、イスラエルの自衛権を支持することが多かったが、空爆によってパレスチナ人の死傷者が増えると、すぐにイスラエルの自制を求めた。
長さ45キロのガザ地区には230万人が住んでいる。2007年以来、イランの支援を受けたイスラム主義グループ、ハマスが政治的に支配しているが、イスラエルによる封鎖に直面している。
オバマ政権は当時、イスラエルとパレスチナ間の和平交渉を模索したが、仲介に失敗に終わった。
2021年初頭にバイデン大統領が就任して以来、彼は、双方の指導者があまりに強硬であり、環境が整っていないと述べ、長らく停滞している協議を再開する様子はない。
大統領在任中のオバマ氏とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、オバマ政権がイランとの核合意を交渉していた頃を含め、両者は険悪な関係にあった。
バイデン氏はオバマ政権の副大統領として、しばしば二人の仲介役を務めた。
20日の声明で、オバマ氏は、特に2001年9月11日の同時多発テロ以降、米国自身が「戦争に従事する際、私たちが掲げる高い価値観の遵守に欠けていた」ことを認めた。
ロイター