• この24時間でガザ地区では記録的な死亡者数が記録された

ガザ地区：ガザ地区のハマス当局は、10月25日、包囲されたパレスチナ領域であるガザ地区をイスラエルが夜間に空爆し、少なくとも80人が死亡したと発表した。

ハマスの広報担当室は、前夜、「占領軍（イスラエル軍）の空爆により、80人を越える人々が殉教し、数百人が負傷しました」と発表した。

10月7日の開始以来、イスラエルとハマスの戦争では、数千人が死亡し、そのほとんどは民間人である。

イスラエルが10月24日に空爆を激化させたことにより、この24時間でガザ地区では記録的な死亡者数が記録された。複数の家族が自宅の瓦礫に押しつぶされるほどの激しい空爆だった。ガザ地区の保健当局は、数百人のパレスチナ人がこの1日で死亡し、空爆の被害と電力不足により医療施設が閉鎖されたと発表した。

ハマスが運営するガザ保健省によると、イスラエルによる空爆で、この1日で少なくとも704人が死亡し、そのほとんどが女性と子供だったという。

イスラエル南部の複数の町へのハマスによる酷烈な襲撃後にイスラエルがガザ地区を封鎖して以来、人口230万人の同地区では食料や水、医薬品が不足している。

イスラエルは、1日400回の空爆により、ハマスの司令官を殺害し、イスラエルへのロケット弾発射の準備をしていた武装グループを攻撃し、司令センターとハマスが用いていたトンネル孔に打撃を与えたと、10月24日に発表した。その前日、イスラエルは空爆を320回実施していた。

ハマスは、イスラエルを破滅させることを誓っている。

一方、今回の大量殺戮以来、イスラエルはハマスを壊滅させると繰り返し明言している。

10月24日、イスラエルのエリ・コーヘン外相は、国連安全保障理事会に対して、10月7日のハマスによる攻撃への相応の対応とは、武装勢力ハマスを「最後の1人に至るまで完全に壊滅させること」であると述べた。「ハマスを壊滅させることは、イスラエルの権利というだけではなく、イスラエルの義務でもあるのです」と、コーヘン外相は語った。

イスラエルが民間人に退避するよう指示したガザ地区の中部と南部では、建造物が倒壊して出来た瓦礫の山から死者や負傷者を救助隊員が引き出している場面がそこかしこで見られた。AP通信が撮影した写真やビデオには、救助隊員が廃墟から子供の遺体を掘り起こす生々しい様子が収められていた。

デイル・アルバラのアルアクサ病院の床の上で、1人の父親が、血まみれのシーツに包まれて亡くなった3人の子供たちの遺体の隣にひざまづいていた。近くの死体安置所では、その後、作業員らが遺体袋に包まれた24人の死者に対して祈りを捧げた。その遺体袋のいくつかは、幼い子供の大きさだった。

住民の上に建物が倒壊し、一度に数十人が死亡したことが何度もあったと目撃者らが語った。ラファで破壊された住居では、2家族合計47人の人命が失われたとガザ保健省が発表した。

ハーン・ユーニスにある4階建ての建物への空爆により、少なくとも32人が死亡し、その中にはサッカラという家族の13人が含まれていたと、空爆を生き延びたサッカラ家の親戚のアンマル・アルブッタさんが語った。アルブッタさんによると、その建物にはガザ市から避難してきた人々を含む約100人が退避していたという。

「この辺りは安全だと私たちは思っていました」と、アルブッタさんは話した。

また、ガザ地区中心部のヌセイラート難民キャンプ内の混みあった市場が空爆により破壊されたと、複数の目撃者が語った。AP通信が撮影した写真には、血まみれになった八百屋の床が写っている。

ガザ市では、バルールという家族の住居が空爆を受け、少なくとも19人が死亡し、さらに数十人が埋まったままの状態になっていると、生存者らが語った。作業員らが土やコンクリート、鉄筋を掘り返していた残骸からは、依然として半ば埋まったままの死亡した女性ともう一人の足が見えた。

ガザ保健省によると、この戦争で現在までに死亡したパレスチナ人は5,700人を越えており、その内約2,300人は未成年だという。この数字には、先週発生した、いずれの側によるものか議論を呼んでいるアル・アハリ病院爆破事件の死亡者数も含まれている。

ガザ地区での死亡者数が増加し、燃料供給が減少する中、死傷者に対応可能な施設数が少なくなってきている。世界保健機関（WHO）によると、一次医療施設の半数以上、そして、病院3軒の内およそ1軒が機能を停止しているという。

負傷者が絶えることなく波のように運び込まれて来る中、重圧下にある病院のスタッフは、患者のトリアージに苦慮している。ガザ保健省によると、数多くの負傷者は簡単な医療処置も受けずに地面に横たえられており、また、深刻な状態の負傷者が多いために手術を何日も待っている人々もいるという。