• 死亡したのは「イスラム聖戦」のリーダー、ハデル・アドナン氏（44）。ジェニンの南、アラバという町の出身で、占領下のヨルダン川西岸では、同氏を追悼するゼネストが行われた。
• イスラエル当局は2日未明、アドナン氏がニッツァン刑務所の独房で死亡したと発表した。

モハメッド・ナジブ

ラマッラー：イスラエル当局に拘束され、86日間ハンガーストライキを続けていたパレスチナ人武装組織幹部が死亡したことを受け、パレスチナ人の若者とイスラエル軍との間で2日、激しい衝突が発生した。

死亡したのは「イスラム聖戦」のリーダー、ハデル・アドナン氏（44）。ジェニンの南、アラバという町の出身で、占領下のヨルダン川西岸では、同氏を追悼するゼネストも行われた。

イスラエル当局は2日未明、アドナン氏がニツァン刑務所の独房で死亡したことを発表した。同氏は、2月5日から罪状も明らかにされないまま拘束され続けていることに抗議して、食事を拒否していた。

これを受けて、パレスチナ諸勢力はベツレヘム、ヘブロン、ラマッラー、ナブルス、トゥルカレム、エルサレムでの包括的ストライキを発表し、アドナン氏の死の責任はイスラエル人にあると非難した。商店は閉まったままで、学校では多くの生徒たちが帰宅させられた。

パレスチナの医療関係者によると、イスラエル軍が発射したゴム被覆金属弾により5人のパレスチナ人が負傷し、数十人が軍が打ち込んだ砲弾による催涙ガスの被害を受けたという。

抗議デモの参加者たちは、パレスチナ人囚人に対する犯罪についてイスラエルに責任を問うよう要求した。

アドナン氏の妻は、イスラエル当局へのメッセージの中で、次のように述べた。「私の子供たちにくれぐれも恥ずかしい思いをさせないでください。そうすれば、あなたたちは、ハデル・アドナンからは得られなかったものを、私の子供たちから見る得ることができるでしょう」

パレスチナ自治政府もアドナン氏の死去に至った事態を非難し、イスラエル側が遺体を家族に引き渡し、故郷に埋葬するよう要求した。

パレスチナ諸団体は、イスラエル側の医療怠慢を非難し、アドナン氏は民間の病院に移されるべきだったと主張している。

パレスチナ人囚人問題委員会は、アドナン氏の遺体の検死が行われる予定であることを明らかにした。

イスラエルの刑務所は、パレスチナ人囚人の反発を予想して、警戒態勢を強化した。

イスラエルのイタマル・ベングビール国家安全保障相は、ハンガーストライキや暴動を起こそうとする受刑者は、その権利や処遇にペナルティが課されるだろうと述べた。

パレスチナ解放人民戦線は、アドナン氏の死を、「行政拘禁を拒否してハンガーストライキの戦いを遂行した」最も著名な囚人の一人であった戦士の「殺人」だと表現した。

ハマスも、アドナン氏の死についてイスラエル政府に全責任があると非難した。

アドナン氏は過去12回逮捕され、約8年間をイスラエルの刑務所で過ごし、そのほとんどは行政拘禁下にあった。

抑留者・元囚人問題委員会の責任者であるカドリ・アブ・バクル氏は、アラブニュースに対し、ベングビール国家安全保障相がすでに、飢えに苦しむ囚人に食糧や生活必需品を与えないよう指示を出したことを認めていると指摘し、アドナン氏の死は国際刑事裁判所に報告すべきイスラエルの犯罪の長いリストに加わることになると付け加えた。

バクル氏は次のように語っている。「国際社会もその責任を負わなければならない。占領国であるイスラエルに対するアメリカやヨーロッパの継続的な支援がなければ、ここまでの事態にはならなかっただろう」

パレスチナ人囚人クラブの代表であるカドゥーラ・ファレス氏は、アラブニュースの取材に対し、イスラエルはアドナン氏の事例を他のパレスチナ人囚人に対する抑止力として使いたいのだろうと指摘した。

現在、イスラエルの刑務所には、女性、病人、高齢者、子どもを含む約4,900人のパレスチナ人が収容されている。

ベツレヘムのカメル・ハミド知事は、次のように述べた。「アドナン氏の暗殺という占領軍の犯罪に、非常に強い怒り、恐怖、衝撃を感じている。これは意図的な殺人だ。パレスチナ人民と指導部は誇り高い戦士を失ってしまった」

マフムード・アッバース自治政府大統領が率いるファタハのマフムード・アルアルール副代表は、アドナン氏の死は「占領軍による数々の犯罪の記録に加えられる」だろうと述べた。