
エルサルム:イスラエル軍は25日遅く、地対空ミサイルが発射されたことへの報復として、レバノンを航空機で空爆したと発表した。
イスラエル国防軍(IDF)は声明を発表し、「先ほど、IDFのUAV(無人機)に向けてレバノンから地対空ミサイルが発射され、IDFの防空システムが迎撃した」と説明した。
そして、「これを受けて、IDFの航空機が発射地点に空爆を行った」と付け加えた。
イスラエルは、10月7日にハマスと戦争状態に突入して以降、レバノン南部のイスラム過激派組織ヒズボラおよび同盟関係にあるパレスチナ系勢力らとの間で、報復合戦を繰り返す状況となっている。
イスラエル軍は25日未明にも、イスラエルに向けてミサイルを発射した報復だとして、シリア国内の軍事目標を空爆していた。シリア国営メディアの報道によると、この空爆で8人の兵士が死亡した。
世界の指導者らは、こうした武力の応酬により、イスラエルが他の周辺国をも巻き込んだより大規模な紛争へと陥り、ハマスとの争いが激化していくのではないかとの懸念を表明している。
イスラエルは、ハマスの武装集団が国境を破って奇襲攻撃を行ったことへの報復として、ガザ地区に砲撃を続けている。イスラエル当局によれば、今回の襲撃で1,400人(主に民間人)が死亡し、222人が誘拐され、同国の歴史上最悪の被害を記録したという。
ガザ地区のハマスが運営する保健当局は、これまでに6,500人以上のパレスチナ人が殺害されたと発表。イスラエルが計画しているとされる地上侵攻を推し進め、ハマスの壊滅と人質救出に打って出た場合には、この数字はさらに増加する恐れがある。
ヒズボラは25日午前、パレスチナ武装組織ハマスとイスラム聖戦の幹部がヒズボラ指導者のハッサン・ナスラッラー師と会談し、イスラエルとの戦いで「真の勝利」を実現することについて話し合ったと明らかにした。
ヒズボラの声明では、ナスラッラー師がハマスのナンバー2であるサレフ・アル・アルリ氏、イスラム聖戦の指導者ジヤド・ナハラ氏と会談した場所や時間は明言せず、レバノンの非公開の場所とだけ述べられていた。
AFP