
リヤド:5日深夜、ヨルダンは同国がガザ地区で運営する野戦病院が求めていた医療物資を緊急で空中投下したことを、ヨルダン国王および国営メディアが伝えた。
「我が国の勇敢な空軍隊員たちは、ガザ地区にあるヨルダン国の野戦病院に対し深夜に緊急医療支援物資を空中投下しました。ガザの戦争で負傷した我々の兄弟姉妹たちを支援するのは我々の義務です。我々はこれからも常にパレスチナの同胞たちと共にあります」アブドッラー2世国王は元TwitterのXにてそう投稿した。
「ラファ検問所経由での支援物資配送の遅れによって物資が枯渇しかけていたガザ地区のヨルダンが運営する野戦病院に対し、王立空軍機がパラシュートで緊急医療支援物資を投下した」と、ヨルダンの国営通信社ペトラが、ヨルダン軍総司令部の情報筋の発言を引用する形で報じた。
先週ヨルダンは駐イスラエル大使を召還し、ガザ地区へのイスラエルの爆撃への抗議として同国と距離を置くよう命じた。また、一連の攻撃は罪のない人々を犠牲にし、人道的惨事を引き起こしたと述べている。
ハマスの戦闘員がイスラエルとの国境を超えて襲撃を行ったことがきっかけとなって勃発したガザ地区での戦闘は、5日で30日目を迎えた。イスラエル政府発表によると、この発端となったハマスの襲撃によって1,400人以上が殺害された。犠牲者の大半は民間人で、さらに240人以上が拉致されたとされている。
以来イスラエルはガザ地区に対し容赦ない爆撃を行い、地上部隊を送り込んできた。パレスチナ領である同地区でハマスが運営する保健省の発表によると、これまでに9,770人が殺害され、そのうち約3分の2が女性および子どもだとされている。
イスラエル軍のダニエル・ハガリ報道官は5日、同軍はガザ市から同地区北側にかけて包囲を行い、事実上同地区を2つに分断したと述べた。
「現在は、南ガザと北ガザが存在する状況です」とハガリ報道官は述べた。