
カイロ:ガザ地区における戦闘の鎮静化に向けての仲裁や人道援助の提供、イスラエル人の人質の解放を模索するカタールとエジプトの指導者たちは、11月10日、カイロで会談した。
エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領 とカタールのシェイク・タミーム・ビン・ハマド・アール・サーニ殿下が、ガザ地区における停戦と包囲下にある230万人の住民への十分な量の援助物資の提供に向けた取り組みの強化について話し合いを行ったと、エジプト大統領府が声明で発表した。
カタール側は、「ガザ地区への武力行使を終結させ、戦闘の激化を阻み、緊急の人道援助を届けるための協力」についての話し合いが行われたと発表した。
カタール首長のエジプト訪問は、カタールの首相が米国中央情報局(CIA)とイスラエルの諜報機関モサドの長官とドーハで会談し人質の解放やイスラエルとハマスの戦闘の一時停止のための取り決めの諸条件について協議した翌日のことだった。
パレスチナの武装勢力であるハマスの政治的指導者が拠点を置くカタールは、1,400人が死亡したとイスラエルが発表した10月7日の襲撃時にハマス戦闘員が拉致した240人以上の人質の解放に向けて、ハマスとイスラエル当局の調停を主導してきた。
10月7日の襲撃以降、イスラエルは、ハマスの支配下にあるガザ地区へ容赦のない空爆を行い、装甲車による地上侵攻を開始した。パレスチナ当局によると、10,000人以上が死亡しているという。
エジプトも、また、ハマスとイスラエルの双方と接点を有し、ラファの国境検問所経由での、ガザ地区への援助の提供や、外国のパスポートの保持者や緊急の治療を要する若干名のパレスチナ人のガザ地区からの退避などについての交渉に参加している。
退避する人々を護送する車列の内の1つがガザ地区内部で標的にされたと赤十字が発表したことにより、ラファ経由での避難は中断していたが10月9日に再開された。
国連によると、10月9日には65両の援助物資を積載したトラックがエジプトからガザ地区に入ったが、それだけでは深刻化する人道危機への対処に必要な量を大幅に下回っているという。
米国は、10月9日、戦闘の鎮静化の兆しは無いものの、ガザ地区北部で毎日4時間戦闘を停止することと民間人がガザ地区南部へと移動するための人道回廊の設置にイスラエルが同意したと発表した。
ロイター