
国連、米国:金曜日、世界保健機関(WHO)の事務局長は、ガザ地区の医療制度は「崩壊寸前」であると警告し、36の病院のうち半数が機能していないと述べた。
安全保障理事会で、テドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は、現地の状況は絶望的だと述べた。「病院の廊下は負傷者、病人、瀕死の患者でごった返しており、遺体安置所はあふれかえっている。麻酔なしの手術が行われ、何万人もの行き場を失った人々が病院に避難している」「医療制度は崩壊寸前で、それでも何とか救命医療を続けている」と彼は述べた。
テドロス事務局長は、10月7日のハマスの衝撃的な攻撃によって引き起こされた紛争において、ガザとヨルダン川西岸では病院、診療所、救急車、患者に対する攻撃などの医療に対する攻撃が250件以上、イスラエルでは25件あったと述べた。
「医療従事者と彼らが奉仕する人々を支援する最善の方法は、彼らが医療を提供するために必要な道具、すなわち医薬品、医療機器、病院用の発電機の燃料を提供することです」と彼は述べ、エジプト国境のラファ検問所を通って少しずつやって来ている支援物資の増加を喚起し、国連が求めている停戦についても改めて訴えた。
エチオピアのティグライ地方出身のWHO事務局長は「ガザの子どもたちがどんな思いをしているのか理解できます。私は子どもの頃、同じ経験をしたからです」と述べた。
「空中でうなる銃声や砲弾の音、攻撃された後の煙の匂い、夜空を舞うトレーサー弾、恐怖、痛み、喪失感、そういったことは私の人生をとおして私の記憶に残っているのです」
彼はまた、ハマスの戦闘員による「恐ろしく、野蛮で、正当化できない攻撃」を非難し、過激派組織に拘束されている人質の解放を要求した。
パレスチナ赤新月社のマルワン・ジラニ代表は、安保理でビデオ演説を行い、加盟国に対し「これ以上の死と苦しみを避けるため、できる限りのことをするよう」呼びかけた。安保理はこの戦争について意見が分かれており、決議を出すまでに至っていない。
彼は、金曜日に赤新月社がイスラエルの狙撃兵に銃撃されたと発表した、ガザ市のアル・クッズ病院の悲惨な状況を強調した。
「私たちが最も懸念しているのは、何千人もの子どもを含む何万人もの市民とともに、負傷し、病気にかかっているすべての人々の命が直接脅かされていることです」とジラニ氏は述べた。
「彼らはあなた方を見ており、また起こりうる大虐殺を阻止するために行動するよう懇願しているのです」。
安保理は、ハマスの攻撃による犠牲者、イスラエルによるガザへの報復攻撃で死亡した民間人、戦争で死亡したジャーナリストや国連職員を追悼するために、1分間の黙祷を捧げ、会議を開始した。
赤十字国際委員会(ICRC)は、ここ数日、同委員会のチームがガザ全域の医療施設に重要な物資を配給し、「敵対行為の激化により悪化した恐ろしい状況」を目にしたと述べた。
ICRCの声明の中では、こういった状況が病院や救急車に深刻な影響を与え、市民や患者、医療スタッフに大きな犠牲を強いていると述べられている。
「ガザの医療システムは無理を強いられ、乏しい物資で運営され、ますます安全でなくなっており、もう取り返しのつかないところまで来ている」
イスラエルとハマスとの戦争が1ヶ月以上前に勃発して以来、ガザ全域の医療施設と医療従事者は繰り返し攻撃を受けてきた。
このような攻撃は「1ヶ月以上にわたる激しい戦闘の後、著しく弱体化したガザの医療システムに大きな打撃を与えている」とICRCは述べた。
ICRCガザ地区代表部のウィリアム・ションバーグ代表は、金曜日に発表した声明で「ガザの病院に影響を及ぼしている破壊は耐え難いものになってきており、止める必要がある」と述べた。
「何千人もの市民、患者、医療スタッフの命が危険にさらされている」
ICRCは、敵対行為によって甚大な被害を受けたアル・ナセル病院や、業務の停止を余儀なくされたアル・ランティシ病院など、小児病院も暴力の被害を免れていないと指摘した。
同声明では「私たちのパートナーであるパレスチナ赤新月社(PRCS)は、敵対行為が激化する中、必要な手段が絶望的に不足しているアル・クッズ病院の運営を継続するため、絶え間ない努力を続けている」と述べられている。
ガザ最大の病院であるアル・シファは金曜日に空爆を受けたが、その一方で、圧倒的に多くの患者であふれているだけでなく、何千もの避難家族を受け入れている。
ICRCは「病院周辺での軍事作戦は、国際人道法で保護されている民間人の存在を考慮しなければならない」と述べた。
また「戦争のルールは明確だ。病院は国際人道法の下で特別に保護された施設である」と述べている。
人道支援要員や医療従事者を含む民間人の保護は「法的義務であるだけでなく、この恐ろしい時に、人命を守るための道徳的要請でもある」
AFP