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イスラエル、ガザ北部からのパレスチナ難民に「ハーン・ユーニスからの退避」を求める

16日、イスラエル軍によるガザ地区中央部のデリ・エル・バラへの爆撃後、負傷した少年を医師がアル・アクサ病院に運び込んだところ。(AFP)
16日、イスラエル軍によるガザ地区中央部のデリ・エル・バラへの爆撃後、負傷した少年を医師がアル・アクサ病院に運び込んだところ。(AFP)
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17 Nov 2023 04:11:30 GMT9
17 Nov 2023 04:11:30 GMT9
  • イスラエル軍がシファ病院をくまなく探しているが、ハマスの地下司令部の証拠は一切見つかっていない

アラブニュース

ジェッダ:イスラエルがパレスチナ住民に対し、ガザ地区北部での爆撃を避けるため南部に移動するよう指示してから1カ月過ぎた16日、今度は南部のハーン・ユーニス近くの4つの町から退避するよう命じた。

民間人に対してバニー・スヘイラ、クーザ、アバッサン、カララの町から退避するよう呼びかけるビラが、空から投下された。通常10万人以上が暮らしている4つの町には現在、北部の地域から逃れてきた数万人が避難している。

この警告により、イスラエルがガザ南部で大規模な軍事作戦を計画しているのではないかという懸念が高まっている。10月7日の越境攻撃で約1200人のイスラエル人を殺害し、240人以上を人質にした武装組織ハマスを殲滅するために、イスラエルはガザ北部を攻撃し、その大部分を瓦礫へと変えてしまった。

国連によると、イスラエルがハマスの襲撃を受けて報復攻撃を開始して以来、ガザ地区の人口230万人の約3分の2が住居を失い、そのほとんどがガザ南部の町に避難している。

その一方で、パレスチナの医療スタッフらによると、ガザ地区最大級の病院にとどまる数百人もの患者やスタッフの命への不安がどんどん高まっているという。病院はイスラエル軍による突入後、丸1日以上、外部との接続手段からすべて遮断されている。

イスラエルは、自国の軍がハマスの存在の証拠を突き止めるために、シファ病院をくまなく捜索し続けていると発表した。「病院施設内に巧妙に隠されているテロリストのインフラが存在するという、我々の見解に基づいて立てられた作戦である」と、イスラエル当局者が匿名で語った。

イスラエルは病院で見つかったとされるライフル銃や防弾チョッキの写真を公開したが、イスラエルが主張する、広大なハマスの地下司令部が病院の地下のトンネルで機能していたという証拠は見つかっていない。

人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの前代表で現在はプリンストン大学の教授であるケネス・ロス氏は次のように述べた。「イスラエルは、緊急医療を必要とする民間人に膨大な犠牲を強いながら、ガザ北部の病院を閉鎖した正当性を証明するためには、ほんの数丁の『携帯に便利な』ライフル銃以上の証拠をもっとたくさんひねり出さねばならないだろう」

病院は国際人道法の下で特別な保護を受ける対象である。同人権団体の国連担当ディレクター、ルイ・シャルボノー氏は、「病院の敷地内で有害な行為が行われたということが証明された場合にのみ、こうした特別な保護を受けられなくなる」と述べた。「イスラエル政府はその証拠は何も示していない」

シファ病院のムハンマド・アブ・サラミヤ院長は、病院は「48時間、占拠したイスラエル側の統制下にあり、1分過ぎるたびにさらに多くの患者が死亡するだろう。私たちは、緩慢な死を待っているのだ」と語った。

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