エルサレム:イスラム武装組織ハマスが人質を拉致してガザに連れ去ってからほぼ6週間が経過した17日、人質となったイスラエル人の家族および何千人もの支援者はエルサレムに向かって行進し、人質解放に向け確実に対応するよう政府に対する圧力を強めた。
行列は3日前にテルアビブを出発した。デモ参加者がエルサレムに通じる丘陵地帯を登り始めたとき、警察が主要道路の一部を封鎖した。
参加者は愛する人々の写真を掲げ、イスラエルの国旗を振りながら「私たちはあきらめない、人質の解放を要求する!」と叫んだ。
10月7日にハマス戦闘員がイスラエル南部を攻撃した際、約240人がハマスに人質として拘束された。乳児から祖父母にいたるまで、人質はガザ地区の地下深くにあるトンネルに収容されていると考えられている。
イスラエルとアラブ系メディアは、少なくとも一部の人質を解放する交渉について報道しているが、いずれの側からも間近に控えた合意は確認されていない。
「この叫びを聞いてくれ。今すぐ人質になった家族を家に帰らせてくれ」と話すユバル・ハランさんが掲げるプラカードには、3歳の姪を含む家族7人が人質になっていることが示されている。
「どうやったら3歳の女の子に値を付けることなどできるんだ。どんな代償を払っても、今人質を取り戻してほしい」
ドイツの駐イスラエル大使シュテファン・サイベルト氏はデモ参加者と会い、人質の無条件解放を求めた。
「我々はすべての政治的・外交的レベルで取り組んでいます。希望を捨てないでください」とメガホンを介して語りかけた。「心の中で我々はあなた達と共にあります」
ある時点で、ベンヤミン・ネタニヤフ首相率いるリクード党に所属する閣僚ミキ・ゾハル氏が現れ、大勢の群衆が「恥を知れ!」「責任を取れ!」と叫んで罵声を浴びせた。
「ここに来るのは簡単ではないと分かっていました。怒鳴られるだろうと思っていました」と、デモ参加者の何人かと会話した際に述べた。「だがそんな事はどうでもいいのです。全員を家に帰すために、我々はあらゆることを、何でもやるつもりだと、できるだけ明確に伝えたくてここに来ました」
人質の家族とその支持者は18日に、約60キロメートルに及ぶこの行進をエルサレムのネタニヤフ首相の官邸前で終える予定であると述べている。
ロイター