


エルサレム:11月19日、イスラエル軍は10月7日にハマスがイスラエル南部を攻撃した際に誘拐された人質がガザ市のアル・シファ病院に連れ込まれる様子を映したものだとする防犯カメラの映像を公開した。
アル・シファ病院はハマス襲撃を受けてイスラエル軍がガザ地区で行っている軍事作戦の焦点となっており、軍は繰り返しハマスが同病院を基地として利用していると主張してきたが、この主張の裏付けを求める圧力が強まっている。
ハマスと病院の職員は病院の地下に司令部があることを否定している。
10月7日10:53のタイムスタンプが見て取れる1つ目の動画では、短パンと薄い青色のシャツを着た1人の男性が、5人の男性(内少なくとも3人は武装している)によって建物の玄関ホールのような場所を通って引きずられる様子が映し出されている。
10:55のタイムスタンプが見える2つ目の動画では、下着姿の負傷した男性が数名の青い手術着を着た男性が見守る中、ストレッチャーに乗せられて7人の男性(内少なくとも4人は武装している)により運び込まれている。
AFPは現時点でこの映像の真偽を検証できていない。
「これが、ハマスが人質を中へ連れ込む様子である…男性を病院の中へ連れて入っている」とイスラエル軍のダニエル・ハガリ報道官は述べて、2人の男性はネパールとタイ出身の人質だと説明した。
「我々はまだこれら2名の人質の所在を確認できていない」と報道官は続けた。「今どこにいるかは把握していない」
イスラエル当局によると、この防犯カメラの映像は、銃で武装したハマスのメンバーがイスラエル南部を急襲して大半が民間人である約1,200人を殺害し、約240人を誘拐した日の朝に録画されたものであると思われる。
それ以来、イスラエルは陸海空からガザに容赦のない攻撃を加えており、ハマスが支配するガザの当局者によると、死者は1万3,000人に上り、その大半は民間人である。
「この映像の発見により、ハマスのテロ組織がアル・シファ病院の施設を虐殺当日にテロリストのインフラとして利用していたことが証明された」とイスラエル軍および諜報機関は声明の中で述べた。
ハマス側はこの映像を一蹴した。ハマスはこれまでも複数名の人質を治療のために病院に搬送したという主張を繰り返している。「特に、一部の人質が(イスラエルによる)空爆で負傷したため」だと政治局の上級メンバー、イザト・アル・リシク氏は声明の中で述べた。
「我々はこれまでもその画像を公開してきたが、イスラエル軍の報道官はまるで信じがたい証拠を発見したかのように騒いでいる」とリシク氏は続けた。
19日、イスラエル軍は「部隊がアル・シファ病院の地下10メートルの場所に長さ55メートルのテロ組織のトンネルを発見した」と述べた。トンネルは病院の下を通り、防爆扉のところで終わっていたという。
イスラエル軍のハガリ報道官はさらに、人質となっていた19歳の兵士ノア・マルシアーノ氏の死に関するより詳細な情報を明らかにした。軍は17日、部隊がアル・シファ病院のある地域で彼女の遺体を発見したと発表していた。
ハマス側は、彼女はイスラエルの空爆によって死亡したと述べたが、イスラエルはこれを否定して、ハマスの戦闘員が彼女を殺害したと主張している。
ハガリ報道官は、マルシアーノ氏はアル・シファ病院に非常に近い場所で拘束されていたと述べた。
「戦闘の最中に、拘束場所の近くで彼女を捕らえていたハマスの戦闘員が殺害され、ノアも負傷した」と報道官は述べ、彼女の怪我は「命に関わるものではなかった」と強調した。
「確実な情報」を引用して、彼は「ハマスのテロリストがノアをアル・シファ病院に連れ込み、そこで殺害した」と述べた。マルシアーノ氏の遺体はその後オレンジ色の担架に乗せられて病院の外に遺棄され、これを部隊が発見したという。
AFP