
ケニア、ナイロビ:スーダンと南スーダンの双方が領有権を主張している紛争地域で19日、激しい戦闘が起こり、国連の平和維持要員を含む少なくとも32人が死亡したと現地当局が発表した。
地元メディアの報道によると、正体不明の武装集団がアビエ特別行政区の南部に位置する2か所の村を襲撃し、多数の民間人と平和維持軍に所属するガーナ人兵士1人が死亡した。
南スーダンのラジオ局「アイ・ラジオ・ジュバ」は、アビエのボリス・クオチ情報相の話として、32人の死者と20人の負傷者を出したが、「現在は衝突が収まっており、状況は落ち着いた」と伝えた。
3月に南スーダンが係争地へ軍隊を派遣して以来、地域間および国境を越えた衝突が激化している。現地で活動する平和維持ミッションは、民間人に「計り知れない苦しみや人道上の懸念」をもたらすとして、軍隊の派遣に非難を表明した。
アレール郡とラムアメール郡には、紛争の拡大を抑えるため、海外からの兵士が国連アビエ暫定治安部隊(UNIFSA)の一員として派遣されている。
先週、安全保障理事会は、UNIFSAの職務権限を2024年11月15日まで更新することを全会一致で可決した。
今月初め、国連アフリカの角担当特使を務めるハンナ・セルワ・テッテ氏は、スーダン軍と敵対する準軍事組織との間で続いている「前例のない」7か月間におよぶ戦争が、南スーダンとアビエ地域に近づいていると警告した。
国連の発表によれば、4月中旬に紛争が始まって以来、9,000人を超える人々が命を落とし、数百万人がスーダン国内や近隣諸国に避難しているという。
2005年の和平協定により、スーダン国内で数十年続いてきた南北間の内戦が終結し、南スーダンがスーダンから独立して以降、スーダンと南スーダンは石油資源が豊富なアビエ地域の支配権をめぐって意見が対立している。
和平協定では、アビエの最終的な帰属について交渉で解決するよう双方に求めているものの、それは実行に移されていない状況だ。
AP