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ヒズボラ、イスラエル軍をドローンや大口径火器、ミサイルで攻撃

2023年11月20日に撮影されたこの写真では、レバノン国境近傍のイスラエル軍基地(C)から煙が上がっている。この基地は20日早朝にヒズボラからミサイル攻撃を受けていた。レバノンのヒズボラ運動は、11月20日、イスラエル北部の軍部隊を標的として、無人機や大口径火器、ミサイルを用いて、一連の新たな攻撃を行ったと発表した。(AFP)
2023年11月20日に撮影されたこの写真では、レバノン国境近傍のイスラエル軍基地(C)から煙が上がっている。この基地は20日早朝にヒズボラからミサイル攻撃を受けていた。レバノンのヒズボラ運動は、11月20日、イスラエル北部の軍部隊を標的として、無人機や大口径火器、ミサイルを用いて、一連の新たな攻撃を行ったと発表した。(AFP)
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21 Nov 2023 07:11:53 GMT9
21 Nov 2023 07:11:53 GMT9
  • ロシア、レバノン南部での戦争行為の激化を「非常に危険」と表現

ナジャ・フーサリ

ベイルート:ヒズボラは、11月20日、より高度で破壊力の高い兵器を使用し、イスラエル軍の前哨基地への攻撃を大幅に激化させた。

より破壊的な兵器を使用した戦争行為へと南部戦線の状況が変質する中、駐レバノン・ロシア大使のアレクサンダー・ルダコフ氏は、レバノンのアブドラ・ベンハビブ外相に、「レバノン南部で起きていることは非常に危険であり、阻止する必要があります」と語った。

ロシアのルダコフ大使は、「レバノン側とロシア側双方で、中東情勢、特にガザ地域で起きている出来事について会談しました」と述べた。

ルダコフ大使は、あらゆる国際的な会合でロシアは平和と軍事行動の停止を呼びかけてきたと語った。

「レバノンとロシアは継続的に連絡を取り合い、多様な事柄や関心事について2国間の事であれ国際的な問題あれ、情報を共有し意見を交換しています」と、ルダコフ大使は付け加えた。

このルダコフ大使の応答は、中東地域が「複雑かつ危険な状況へと向かっており、最大限の政治的な警戒と内部的な結束を必要としています」とサイデット・エル・ジャバルという団体が警告する中で出されたものである。

サイデット・エル・ジャバルは、政治家や市民活動家を含む団体で、ヒズボラがレバノン国民の結束を再び脅かしていると確信している。

サイデット・エル・ジャバルの警告は、ヒズボラのシェイフ・ナイム・カセム副事務総長がヒズボラは「レバノン国内でどれほどの反対の声が上がろうとも武装し続け、また、訓練も継続します」と述べた2日後に発表された。

サイデット・エル・ジャバルは、「憲法や関連する国際決議、アラブ決議よりも自らを優先させるヒズボラが、どうしてレバノンの国益を守っていると言えるのでしょうか?」と付け加えた。

イスラエルとレバノンの国境では、イスラエルとハマスの戦争開始以来、銃撃戦が日々行われている。

ヒズボラは、11月20日、ブラニットの前哨基地をミサイル「ブルカン」によって攻撃したと発表した。

イスラエルの報道メディアが公開したビデオには、ミサイル攻撃による大規模な破壊の跡が映し出されていた。

ヒズボラは、声明を2回続けて発表し、今回の攻撃の真の目的は、「ガザ地区で再起しようとしているパレスチナ人の同志たちを支援し、その抵抗を支持するため」であると確言した。

イスラエルの報道メディアは、「レバノン側からキリヤット・シュモナとマージャリオットの入植地に向けて、自爆攻撃を行うドローンと、さらには、25発のミサイルの発射と砲撃が行われ、被害が出ました」と報じた。

ミサイル「ブルカン」はイランによって設計され、シリア軍第4師団の工場で生産されている。

ブルカンは、10kmまでの短射程の弾道ミサイルで、500kgもの爆発物を搭載可能である。このミサイルは、短距離戦術発射装置から発射される。

ブルカンの短距離戦術発射装置は、戦車や装甲車、トラックの車体に取り付けることが可能で、3つの発射筒を有している。

ヒズボラは、11月初めに、レバノン側のアルダヒラ村と国境を挟んで向かい側に位置するジャル・アルアラム前哨基地を標的として、ミサイル「ブルカン」を初めて使用した。

ヒズボラのレバノン南部戦線におけるイスラエル軍との武力衝突は、既に44日間継続している。

ヒズボラは、「アルカランティナ丘陵近傍のハデブ・ヤロウン前哨基地のイスラエル軍歩兵部隊と、ダヒラ前哨基地付近とアルタイハット三角地帯内のイスラエル歩兵の集結地を標的として直撃弾を命中させました」と発表した。

ヒズボラは、また、「キリヤット・シュモナ西部のイスラエル占領軍の集結地を3機のドローンによる攻撃の標的とするのに加えて、イスラエル占領下にあるレバノンのシバア農場内のゼブディーン前哨基地を効果的な兵器の攻撃対象とする」ことを発表した。

イスラエル軍は、地上攻撃と空爆で応戦し、レバノンの数多くの地点を標的化した。

イスラエル軍は、「レバノン側からキリヤット・シュモナに向けて携行式ロケット弾が発射されました」と述べ、「3機の無人機がアッパー・ガリラヤで撃墜されました」と付け加えた。

砲撃は、ヤリンやアルダヒラ、タイル・ハルファ、ラブ・アルタラティン、ムアベブ、アルジャビンの各村の周辺を標的として行われた。

イスラエルの砲兵部隊は、また、デイル・ミマスとケイフォルキラの間の森林地帯に加えて、フーラ、ワディ・サルキ、ヤロウン、ナクラの村々の周辺に対しても砲撃を行った。

イスラエル軍の砲撃によって引き起こされた火災で、マルカバとフーラの間の渓谷の農民たちが孤立させられる事態となった。

ルマイチ村とアイタ・アルシャブ村の間の区域は直接的な砲撃の対象となった。砲撃は、メイズ・アルジャバルのカバラン・カバラン国民議会議員の自宅にも到達した。

イスラエル軍のヘリコプターは、マルウン・ アルラス村周辺に対しての爆撃も行った

イスラエルの報道メディアによると、ヒズボラは「作戦開始以来、レバノン側からイスラエル国内の標的に向けて1,000発超のミサイル」を発射したという。

ヒズボラ傘下のアルマナールのウェブサイトは、「レバノンと国境を接する入植地の複数の病院に分散収容されたイスラエル軍側負傷者数が1,523人に上ることを示す表」を公表した。

イスラエルによる爆撃は、11月19日午後、国境沿いのオダイセ村からケイフォルキラへ向かう民間人の車両に命中した。

レバノン市民のサナア・フセイン・リスラン氏と彼女の息子の近くに砲撃が着弾した。

リスラン氏は負傷し、、処置のために病院に運び込まれた。

国境沿いのレバノン住民のほぼすべてが自宅を離れ、国連が確定したブルーラインの北側へと退避した。

ティール自治体連合の災害リスク管理部は、11月19日の時点で、退避したレバノン人の人数は16,276人となり、地区内の村々と4ヶ所の避難所に分散避難していると発表した。

同災害リスク管理部は、利用可能な手段の範囲内で、避難民のニーズの確保を行うために、各種団体や国際機関と連携していると付け加えた。

冬の到来が間近に迫り、また、退避する人々の人数が日々増加しているため、避難所における暖房設備の安定運用が深刻な問題となりつつある。

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