




【ドバイ】学生からの日本語講座への要望が絶えないため、UAEのハリーファ科学技術大学では、日本政府の支援を受けた組織である日本国際協力センター(JICE)のアブダビ事務所と手を携え、日本語カリキュラムを延長する。延長は4年連続だ。
講座には現在46人のUAEの学生が登録している。また、日本語能力への関心・要望が全般に増えるなか、UAE大学社会人教育センターでも2度目の日本語コースの開設が予定される。同コースは2019年夏季にも開設され17人が登録した。また、ザーイド大学でも60人限定の初心者向け日本語コース(課外)を設けたところ、応募者が260人に上った。
ハリーファ科学技術大学でコンピュータ工学を学ぶヌーラ・ウムラーン・アン=ヌアイミさんは語る。「最初に引き込まれた日本文化は小さいころに見たアニメで、アラビア語で見ていましたが今は日本語で見ています。去年初めて日本へ行きましたが、日本語の知識はほんの少しでした。再訪日したいので、日本語コースを取ることにしたのです。日本の人たちともっと上手に交流できればいいなと思っています」
アン=ヌアイミさんはさらに言う。「タナカ先生には感謝です。言葉だけでなく文化や伝統のことも教えてくださるすばらしい先生です。日本のことに興味がいっそう湧きました、着物とか茶道とか。コンピュータ工学の研究を深めるために日本で修士号を取ることを考えています。いつか自分で起業したいのです。この先日本企業とのビジネスチャンスがあったときに私の日本語力で交流が深まればいいなと思っています」
UAEで日本語学習熱が高まっていることについて、ハリーファ科学技術大学で日本語を教えるタナカ・ケイコ講師は言う。「この大学で教えはじめて3年目ですが、毎学期めきめき上達していて驚かされます。出席率から小テストの平均点、家庭学習の質もそうですが、最終的な成績も毎年向上しています」
「日本語の読み書きは難しいものですが、多くの学生は根気よくひらがな・カタカナを学び、学期末には習得してしまいます。一生懸命学習して得られた達成感に満足しているようですし、日本語学習継続の励みにもなっています」とタナカ講師は言う。
ザーイド大学で幼児教育を専攻するマイサー・アブドゥルハミド・アルブルーシさんは言う。「知らない言葉を学ぶのは困難でもありますが楽しくもあります。うちは家族全員が日本文化好きで、日本語に堪能な姉の影響が特に大きいです。将来教師になったら、外国の言葉を勉強する楽しさを子供たちに教えられたらいいなと思います」
アルブルーシさんはさらに言う。「日本語の勉強ははじめ、アニメを見るとか、姉が日本人の友だちと話しているのを聞くとかでした。読み書きのほうも勉強したくなったので、日本語コースを取ることにしたのです。今では日本人の友だちも大勢いますし、日本の友だちと交流しながら日本の生活だとか文化の背景だとかがわかるのが本当に楽しいです」
日本国際協力センター(JICE)のアブダビ事務所では、数多くの企画やイベント、イニシアチブを通じてUAEの学生やその家族に働きかけ、より多くのUAEの学生が日本で学べる道を開いている。
JICEアブダビを統括するアオキ・シゲト氏は語る。「JICEのアブダビ事務所が2013年に開設されて以来、学位・非学位プログラムで日本に留学しているUAEの学生の数は増えており、現在は108人が日本で学んでいます。2013年以降では800人以上のUAEの学生が日本留学しています」
日本留学について詳しくは、JICEアプダビ事務所まで:www.jice.org/en