• 2022年9月の抗議デモは、イランで女性に課されている厳格な服装規定に違反したとしてテヘランで逮捕された、22歳のクルド系イラン人マフサ・アミニ氏が勾留中に死亡したことがきっかけだった。

ジュネーブ：国連は29日、イランで17歳と22歳の男性が処刑されたことに遺憾の意を表明し、死刑の適用を即時停止するようイラン政府に要請した。

国連人権高等弁務官事務所は、24日に行われた死刑執行に心を痛めていると語った。

エリザベス・スロッセル報道官は声明の中で、「殺人容疑で起訴されたハミドレザ・アザリ氏の処刑は、イランで今年報じられた処刑の中で、児童が犯罪の容疑者となる初のケースである」と述べた。

そして、イラン政府に対しては、18歳未満の個人が犯した犯罪に関して死刑判決とその執行を禁止するという、国際条約上の義務を守るよう促した。

「また、22歳のミラド・ゾレヴァンド氏も、同じ日に処刑されたことに心を痛めています。2022年9月の抗議デモに関連した処刑はこれで8人目です」とスロッセル報道官は話す。

「入手可能な情報によると、彼の裁判では、国際人権法に基づく適正手続きの基本的要件が欠如していたことが示唆されます。ゾレヴァンド氏の処刑後、彼の両親も逮捕されたという心配な報道もあります」

「死刑執行に遺憾の意を表明します」

2022年9月の抗議デモは、イランで女性に課されている厳格な服装規定に違反したとしてテヘランで逮捕された、22歳のクルド系イラン人マフサ・アミニ氏が勾留中に死亡したことがきっかけだった。

イランではデモ活動を鎮圧するための徹底的な取り締まりが行われ、その過程で数百人が死亡し、数千人が逮捕されたと人権団体は報告している。

スロッセル報道官によれば、イランは特に薬物関連の犯罪などで死刑執行数が最も多い国の1つで、少数派は死刑判決を受けるケースが不釣り合いなほどに多いという。

スロッセル報道官はイラン政府に対し、死刑の適用を即時停止し、執行はしばらくの間控えるよう要請を行った。

その間、死刑は故意で直接的に死に至るような極めて重要性を持つ犯罪など、最も重大な犯罪にのみ課されるべきであると、スロッセル報道官は述べた。

そして、「言論の自由や平和的集会の権利を行使した政治活動家らに対し、処罰することを目的として刑事訴訟手続きを利用するのも止めるよう政府に求める」と付け加えた。

AFP