ジュネーブ:世界保健機関(WHO)に加盟する十数カ国は8日、国際法上の義務を尊重し、ガザ地区の人道支援従事者を保護するようイスラエルに求める決議案を提出した。
ガザ地区では、10月7日に武装組織ハマスがイスラエル南部を襲撃したことを機に戦闘が勃発。イスラエル側の発表によれば、この事件で約1,200人が死亡し、連れ去られた人質はまだ138人が拘束されているという。
包囲されたガザ地区でハマスが運営している保健省は、イスラエルが報復として行ったガザ地区への空爆と地上攻撃により、17,487人(主に女性と子供)が死亡したとしている。
今回提出された決議案の内容は10日、「占領下のパレスチナ自治区における健康状況」を議論するために招集された、WHO執行理事会の特別会合で検討される予定となっている。
共同提案国として名を連ねているのは、アルジェリア、ボリビア、中国、エジプト、インドネシア、イラク、ヨルダン、レバノン、マレーシア、モロッコ、パキスタン、カタール、サウジアラビア、チュニジア、トルコ、アラブ首長国連邦、イエメンなど。
パレスチナ代表はWHOのオブザーバー資格を保有しており、この決議案にも署名している。
共同提案した加盟国は、「東エルサレムを含む占領下のパレスチナ自治区で、特にガザ地区での軍事作戦など、壊滅的な人道的状況に対しての深刻な懸念」を表明した。
また、イスラエルに対しては、病院やその他の医療施設と同様、医療任務の遂行に専従する医療および人道支援従事者を「尊重し、保護する」よう求めた。
これとは別に、WHOのクリスチャン・リンドマイヤー報道官は8日、記者団に対し、ガザの医療システムは崩壊寸前で救急車や病床をこれ以上失う余裕はないと語った。
「状況は日に日に悲惨さを増しています…本当に信じられません」と同氏は話した。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は7日遅く、ガザ地区にある病院36か所のうち、最低限機能しているのは14か所しかないことを明らかにした。
AFP