国連:パレスチナの人々は、12月12日の国連総会で人道的見地から即時停戦を求める拘束力のない決議案に票が投じられることで、3か月目に入ったイスラエルとハマスの紛争終結への世界的な支持の広がりが示されることを期待している。
8日に開かれた安保理会合でアメリカが人道的停戦を求める決議案に対して拒否権を行使したことを受けて、アラブ・イスラム諸国は12日午後に、同じ内容の決議案の採決のために193か国が参加する総会の緊急会合の招集することを要求した。
安保理決議とは異なり、総会決議は法的拘束力を持たない。だが、ステファン・ドゥジャリク国連事務総長報道官が11日述べたように、総会が送るメッセージも「また非常に重要」であり、世界各国の意見を反映している。
パレスチナのリヤド・マンスール国連大使は10日、AP通信に対し、安保理で採択されなかった決議案は103か国によって共同提案されたものであり、12日の総会では、さらに多くの共同提案国と賛成票を期待していると述べた。
ガザ紛争に対する国連の最初の対応としては、10月27日に総会がガザでの戦闘の中止につながる「人道的見地に立った停戦」を求めた。賛成は120か国、反対は14か国で、45か国が棄権した。
4度の不成功を経て、安保理は11月15日にイスラエルとハマスの紛争が始まって以来初めて、イスラエルによる陸空の攻撃の中でパレスチナの民間人が経験している深刻化する危機に対処することを目的に、ガザでの「緊急かつ長期にわたる、人道的見地からの戦闘の一時中断」を求める決議を採択した。
この決議案は、安保理理事国15の内賛成12、反対0で可決された。アメリカ、イギリス、ロシアは棄権した。アメリカとイギリスは棄権の理由を約1,200人が殺害され、240人が拉致された10月7日のハマスによる攻撃に対する非難が含まれていないことだと説明し、ロシアはその理由をイスラエルとアメリカが反対して人道的停戦の要求が盛り込まれなかったことだとした。
イスラエルがハマス殲滅を目的に作戦を進める中、ガザの死傷者数は増え続け、停戦を求める声も高まっている。そして8日の安保理会合では、アメリカはイスラエルを支持して孤立し、決議案には13か国が賛成し、反対はアメリカ1か国であり、イギリスは棄権した。
8日の安保理会合と採決は、アントニオ・グテーレス国連事務総長からの書簡に対応した動きであり、グテーレス氏は事務総長が国際平和と安全への脅威と見なす問題を提起することを可能にする国連憲章第99条を行使した。事務総長はガザにおける「人道上の惨禍」について警告し、安保理に対し人道的停戦を求めるよう要請した。
グテーレス氏は、1971年以来利用されていない国連憲章99条を発動した理由を「ガザの人道支援システムが完全に崩壊する高いリスクがある」ことだと説明した。国連はその場合、「社会秩序の完全な崩壊とエジプトへの難民の大量移動へのさらなる圧力」を予想していると、事務局長は警告を発した。
グテーレス氏は、ガザは「臨界点」にあり、絶望した人々は飢餓の深刻な危機にさらされていると述べ、10月7日にハマスがイスラエル人に対して行った残虐行為によっても「パレスチナの人々に対する集団的懲罰は決して正当化されない」と強調した。
安保理決議案と同じく、総会決議案でもハマスあるいは10月7日のイスラエルによる攻撃については言及されていない。
決議案は「ガザ地区の破滅的な人道状況とパレスチナの民間人の苦しみに関する重大な懸念」を表明し、「パレスチナおよびイスラエルの人々は国際人道法に準拠して保護されなければならないと述べた。
即時の人道的停戦に加え、決議案はすべての紛争当事者が「特に民間人の保護に関して」国際人道法に従うよう要求し、「即時かつ無条件の人質の解放と人道支援のアクセス」を求めている。
AP